子どもが言い訳ばかりする本当の原因は「親の間違った怒り方」

野村恵里

3. 原因を責めない

×「どうしてなの!」と責める
〇「どうしたらできるかな」と一緒に考える

「どうして!」「なんで!」と、「原因を責める怒り方はNG」です。原因を追及されればされるほど、逃げたくなるもの。子どもは「だって……」と、言い訳を始めます。

そこで、提案したいのが注目するポイントを「原因」から「解決」に変えていく方法です。

「なんで」「どうして」という言葉を「どうしたら今より良くなるかな」「何をしたら解決するかな」に変えていくのがオススメです。一例を挙げます。

「どうしてこぼしたの!」
→「牛乳をこぼさずに飲めるようになるために、どんな工夫ができるかな?」

「なんで、宿題しないの!」
→「どうしたら宿題ができるようになるかな?」

「集中しなさい!」
→「集中力が続かないなら、おやつ休憩をとってから続きをするのはどうかな?」

こんなふうに解決志向で話してみましょう。ほんの少し言葉を変えるだけで、ママも子どもも問題解決に前向きに取り組めるようになるはずですよ。

4. 一方的に決めつけない

×「いつも、できてない!」とイライラする
〇今はできてないけど「この間はできてたかも」と一呼吸おく

一方的に決めつける怒り方にはこんなNGワードがあります。
それは、「いつも」「絶対」「毎回」「必ず」などの断定的な言葉です。

例えば「いつも、朝は起きられないわよね」「絶対、宿題をしていないでしょ」「毎回、ぬいぐるみを置きっぱなしよね」「必ずピーマン残しているよね」などの使い方です。

こんなふうに決めつけられた言い方をされると、気持ちのいいものではありません。「いつもじゃないし!」「絶対じゃないし!」と反発したくなる気持ちもわかります。

「今日はできていない」「今はできていない」「今回はできていない」など、確実に確認できる事実について怒るようにすれば、子どもも納得できるのではないでしょうか。一方的に決めつける怒り方がNGなのは、このような理由があるからです。

以前の私は、やってはいけない怒り方のオンパレードだったのですが、アンガーマネジメントを学んでかなり改善してきたつもりです。

でも、もともと短気なうえに、「べき」もたくさん持っている方だったので、正直、心のなかでは「またか~」と、過去を思い返してみたり、「なんで? 嘘でしょ?」と原因を責めるような言葉をつぶやいてみたり、「やっぱりね」「当然、知っていました!」みたいに決めつけたり、思い込んだりしていることが、今でもあるんです。

ただ、なるべく、それを反射的に表に出さないようにするために、「衝動のコントロール」をしてから、話す努力をしています。

イラッとした感情のコントロールが少しずつできるようになったので、思春期真っただ中にいる長男や次男とも、快適なコミュニケーションが取れる関係でいられるようになっています。



とはいえ、かつて私はよく失敗していました。「失敗したな~」と思ったら、「とにかく素直に謝る」を徹底していました。

「ごめん、ちょっと怒りすぎた」
「今の怒り方、いけんかったな」
「決めつけた言い方をしてしまったけど、間違ってなかったかな」


と、謝ったり確認したりするようにしたのです。そうすることで、私は自然に「次は気をつけよう」という気持ちにもなれましたし、子どもも不満を引きずらなくてすむようでした。

さらに良い効果として、私が素直に間違いを認めるようになったことで、子どもが「自分が間違っているかも」と感じたときに、素直に謝れる子どもに変わっていったのです。

「謝りなさい!」と言わなくても、「あ、洗濯物を出してなかった~。ごめんね~」「ごめん、今日はちょっと帰りが遅くなる」という感じの言葉がさらりと出るようになったのです。

それにね、「了解、大丈夫よ~」なんて私が答えたら、「ありがとう!」と言って返してくれるんです。「あ~、心地いいな~」と、感じながら過ごしている今日この頃です。

ぜひ、やってはいけない怒り方、4つのNGポイントを意識して、話してみてくださいね。

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