「毎日勉強する子」と「テスト前に慌てる子」の差を生む家庭の習慣
せっかく塾に通っているのに、家で復習もせず、遊んでばかり…。テスト前になって慌てて勉強する子どもに、頭を悩ませている親御さんは少なくないでしょう。どうしたら家でも集中して、自ら勉強する子になってくれるのでしょうか? 東大生75人へのアンケート結果をもとに「毎日勉強する子」を育てるポイントを紹介します。
※本稿は東大カルぺ・ディエム(著)、西岡壱誠 (監修)『自分から勉強する子の家庭の習慣』(すばる舎)から一部抜粋・編集したものです
東大カルぺ・ディエム
2020年6月、西岡壱誠を代表として株式会社カルペ・ディエムを設立。西岡を中心に、家庭の事情で週3日バイトしながら合格した人や地方公立高校で東大模試1位になった人など、多くの「逆転合格」を果たした現役東大生が集い、日々教育業界の革新のために活動中。毎年300人以上の東大生を調査し、多くの画期的な勉強法を生み出している。
集中できる場所はココ!
今の子どもたちにはスマホがあります。スマホってYouTubeを見たり友達と連絡ができたりして、いくらでも遊べます。スマホ以外にも、ゲーム、漫画、アニメなど、多くの「誘惑」があります。こうした誘惑に駆られることなく、どうしたら勉強に集中できるのでしょうか?
【悩み】どこで勉強すると、集中できる?
【解決策】勉強は「リビング」でする
・勉強机や教材をリビングに置き、勉強できる環境にする
ルールはとても簡単で、子どもを部屋ではなく、リビングで勉強させるといいでしょう。 親御さんがいるときだけでなく、いないときも含めて、ずっとリビングで勉強してもらうようにして、「自分の部屋では勉強しない、リビングで勉強する」という習慣をつけてもらいます。
なので、勉強机や教材はリビングに置くといいでしょう。そこで学校の宿題や塾のテキストをやり、勉強を完結させるわけです。親御さんは、ずっと監督する必要はありません。
むしろ勉強しているお子さんにお菓子や飲み物を出すなど、見守るくらいに留めておくといいでしょう。
・「リビングは勉強する場」と認識してもらう
アンケートを集計して、私たちも驚いたのですが、東大生のうち約70%が、小学生時代、リビングで勉強していたと回答していました。驚きの数字ですよね。
理由を聞いてみると、「親の目のないところではサボりたくなるから」とのこと。親が見ている場所ではサボれないわけですね。ぜひ、リビングは片付けて勉強しやすくしておいてください。
ちなみに、何らかの理由でリビングで勉強できないというご家庭は、子ども部屋の机をきれいに片付け、遊び道具と勉強机とをできるだけ遠ざけておくことを勧めます。遊び道具があると遊んでしまうので、それを遠ざけて置いておくわけですね。
【まとめ】
・リビングはサボりにくい最適の場所!
・リビングはいつでもきれいに片付けておく
【東大生の声】
・リビングで勉強すると集中できた。勉強中はテレビなどが消えており、気を散らすものが少なかった。
・リビングにある自分の勉強机で勉強していた。親に見られているから集中できた。自分の部屋だと、リビングで起きていることが気になって気が散ってしまう。
・あと、「これ面白い!」「これ知らなかった!」といった話を母親と共有できるのが嬉しかった。
「毎日、勉強する子」の親がしていること
テスト前は勉強しても、テストが終わると全く勉強しない、といったことが起きていませんか? せっかく塾に入っても「通って終わり」というケースは少なくありません。どうしたら、毎日コツコツと学ぶ「勉強リズム」が身につくのでしょうか?
【悩み】日によって勉強をしたり、しなかったりする
【解決策】子どもに合った「スケジュール表」を作ってあげる
・勉強することを明確にしておけば、すぐに取り組める
子どもの1週間の過ごし方を見ていて、「勉強しない日が多いな」と感じたら、親のほうで1週間ごとに、やるべきことを決めたスケジュール表を作ってあげるといいでしょう。ある程度、軌道に乗り、自分から勉強できるようになったら、徐々に子ども自身でスケジュールを立てられるように導くのもよいでしょう。
なお、正反対の意見として「スケジュールが決められていて辛かった」という声もありました。
そこで、管理されるのが苦手なタイプの子どもには、何時にどのぐらい勉強するのかを事細かに決めるのではなく、「今日中にやるべきことだけ」を決めておき、勉強する時間自体は子どもに一任する、などの工夫をしてあげるのも一策です。
・1週間の「勉強リズム」ができる
スケジュール表があれば、その通りに学べばいいので取りかかりが早くなります。
例えば、夕食前の1時間ぐらいでできそうな勉強量を割り出して、1週間のスケジュール表を作ってみるとよいでしょう。これにより、1週間の勉強リズムができ、習慣化しやすくなります。
なお、注意点は、勉強量を増やし過ぎないことです。子どもがこなせそうな分量を見積もり、ちょっと頑張ればできるぐらいの量にするといいでしょう。
【まとめ】
・1週間ごとにスケジュールを立てる
・子どもがこなせる分量を見積もる
【東大生の声】
・小学生の間は、「火曜日の夕食後は、月曜に出された分の塾の宿題をする」「木曜日は習い事の前に宿題をする」というように割ときっちりとスケジュールが決められていました。少々詰め込みすぎで辛かったのですが、このおかげで中学に合格できました。
・私が小学生のとき、お気に入りのクイズ番組が毎週水曜日に放映されており、私は、この番組を見ながら宿題をするのが習慣になっていました。
関連書籍
「自分から勉強する子」の家庭の習慣(すばる舎)
現役東大生75人にアンケートを取り、その結果を元に私たち東大カルペ・ディエムなりの考察を加えて、「どうしたら子どもがやる気になるのか?」「どうしたら自分から勉強するようになるのか?」、その秘訣を探りました。現役東大生ならではの「これがよかった!」「役立った!」という「生の声」をたくさんお伝えするので、読者の皆様のご家庭でも、必ずや役立つものが見つかるはずです。