小1の女の子にとって、お父さんの枕はどんなにおい? こどもの目からみた家族の姿

鹿島和夫
2023.10.17 17:01 2023.11.08 11:50

せんせいあのね

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こどもたちにとって、最も大きな存在である「家族」。

小1のこどもたちと、教師の鹿島和夫さんによる交換日記・「あのね帳」には、こどもの目線から見た家族の姿が数多く記されています。

鹿島さんがひきだしたこどもたちのあたたかな言葉を、ヨシタケシンスケさんのイラストとともにご紹介します。


※本稿は、鹿島和夫著・ヨシタケシンスケ絵『一年一組 せんせいあのね こどものつぶやきセレクション 』(理論社)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

家族の温かさを感じる作品たち

おとうさんのにおい・こうきあけみ

「おとうさんのにおい」 こうきあけみ

わたしはいつもおとうさんとねていました
おとうさんがようじでいっしょに
ねられないときに
おとうさんのまくらをだいてねます
まくらをだいてねると
おとうさんのにおいがして
おとうさんとねているようなきがしました
おとうさんのまくらのにおいは
おしごとのにおいです

おばあちゃん・てしまあい

「おばあちゃん」 てしまあい

おばあちゃんとおかあさんといっしょに
たるみにいってラーメンをたべました
おかあさんはわたしのぶんもたべて
ブタマンもたべました
「びょうきなのによくたべるのね」というと
おばあちゃんが「だからげんきでいられるのよ」
とわらってこたえてくれました
おかあさんがわたしをやさしく見るように
おばあちゃんの目がおかあさんを見ていました

やわらかいごはん・すずきようこ

「やわらかいごはん」 すずきようこ

おかあさんはまたしっぱいしたよ
ごはんのおみずをまちごおて
やわらかのごはんをたいてしまったの
おにいちゃんは
「きゅうしょくのごはんよりまだやわらかい」
おとうさんは
「いのためにいい」とゆうた
わたしはおかわりをしたよ
みんなおかあさんにきをつかっている

関連書籍

一年一組せんせいあのね
一年一組 せんせいあのね こどものつぶやきセレクション(理論社)
鹿島和夫さんと鹿島さんが担任した小学校一年生たちとの、いわば交換日記であった「あのね帳」から、54篇のつぶやきをセレクト。
笑いをさそうもの、胸をうつもの…こどもたちから生まれた生のことばがヨシタケシンスケさんの絵とタッグを組み、新たに心をゆさぶる。

鹿島和夫

1935年大阪府に生まれる。神戸大学教育学部卒業後、神戸市小学校の教員として勤務し、主に1年生を担任。
こどもたちとの交換日記ノート「あのね帳」は、多様な生徒が集まる学校・教室という場でこどもと教師を強くつなぐ存在として、神戸、そして関西を飛び出し、全国の教室に大きな影響を与えた。
2023年、こどもたちとの多くの思い出を胸にこの世を去るが、「あのね帳」に残されたこどもたちとのやりとりは、今も多くの人の心を動かし続けている。