小1の女の子にとって、お父さんの枕はどんなにおい? こどもの目からみた家族の姿
こどもたちにとって、最も大きな存在である「家族」。
小1のこどもたちと、教師の鹿島和夫さんによる交換日記・「あのね帳」には、こどもの目線から見た家族の姿が数多く記されています。
鹿島さんがひきだしたこどもたちのあたたかな言葉を、ヨシタケシンスケさんのイラストとともにご紹介します。
※本稿は、鹿島和夫著・ヨシタケシンスケ絵『一年一組 せんせいあのね こどものつぶやきセレクション 』(理論社)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
家族の温かさを感じる作品たち
「おとうさんのにおい」 こうきあけみ
わたしはいつもおとうさんとねていました
おとうさんがようじでいっしょに
ねられないときに
おとうさんのまくらをだいてねます
まくらをだいてねると
おとうさんのにおいがして
おとうさんとねているようなきがしました
おとうさんのまくらのにおいは
おしごとのにおいです
「おばあちゃん」 てしまあい
おばあちゃんとおかあさんといっしょに
たるみにいってラーメンをたべました
おかあさんはわたしのぶんもたべて
ブタマンもたべました
「びょうきなのによくたべるのね」というと
おばあちゃんが「だからげんきでいられるのよ」
とわらってこたえてくれました
おかあさんがわたしをやさしく見るように
おばあちゃんの目がおかあさんを見ていました
「やわらかいごはん」 すずきようこ
おかあさんはまたしっぱいしたよ
ごはんのおみずをまちごおて
やわらかのごはんをたいてしまったの
おにいちゃんは
「きゅうしょくのごはんよりまだやわらかい」
おとうさんは
「いのためにいい」とゆうた
わたしはおかわりをしたよ
みんなおかあさんにきをつかっている
関連書籍
一年一組 せんせいあのね こどものつぶやきセレクション(理論社)
鹿島和夫さんと鹿島さんが担任した小学校一年生たちとの、いわば交換日記であった「あのね帳」から、54篇のつぶやきをセレクト。
笑いをさそうもの、胸をうつもの…こどもたちから生まれた生のことばがヨシタケシンスケさんの絵とタッグを組み、新たに心をゆさぶる。