おとそを飲むのはなぜ? お年玉の意味は? 親から子へ伝えたいお正月の基礎知識

長谷川康男
2024.01.18 11:03 2024.01.01 07:00

お正月のなぜ?なに?

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おとそやお年玉が一体何のためにあるのか、子どもに説明できますか? 本記事では1月の行事や自然、旬の食べもの、遊びから季語、記念日までを絵で紹介する『1月のえほん』より、子どもの「なぜ?」に慌てないためのお正月の基礎知識をご紹介します。


※本稿は、 長谷川康男監修 『1月のえほん 』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

お正月にまつわるなに?なぜ?

「元旦」と「元日」のちがいは?

「旦」の字は、地平線から太陽がのぼっているようすから、「朝」を意味します。元旦は「元日の朝」という意味ですから、「元旦の夜」というつかい方はまちがいです。

元旦のイメージ

「おとそ」ってなに?

「おとそ」は中国から伝わった不老長寿の薬とされ、家族が病気をせずすこやかに1年を暮らせるように、という願いをこめて元旦に飲みます。お酒かみりんに屠蘇散という漢方薬を入れてつくります。

おとそ

「お年玉」ってなに?

歳神さまがもちなどのおそなえものを年少者に分けあたえる、というのがお年玉のもともとの意味です。鹿児島県の甑島という地域では、いまでもおもちをくばる行事を行っています。

お年玉

「獅子舞」ってなに?

悪霊をおいはらうために獅子(ライオンに似た伝説上の生き物)をかたどった獅子頭をかぶった人たちが、道を練り歩いたり、玄関で舞をまったりします。沖縄県の一部ではお盆の行事となっています。

獅子舞

日本各地のお雑煮

もともとは歳神さまへのおそなえものを煮たものを「お雑煮」とよんでいました。地域によって入れる具や味つけにちがいがあります。

関東風

四角いおもちの入ったすまし汁が一般的。具にとり肉をつかうことが多いようです。

関東風お雑煮

鳥取県・島根県の一部

ぜんざいのように、あずきが入っています。

鳥取県・島根県の一部のお雑煮

長崎県の一部

すまし汁に、丸いもちとブリなどのたくさんの具が入り、お正月以外でも食べます。

長崎県の一部のお雑煮

香川県

白みそのだし汁に、丸いあんこもちが入っています。

香川県のお雑煮

関西風

丸いおもちの入ったみそ味が一般的で、白みそをつかうことが多いようです。

関西風お雑煮

制作協力:株式会社ワード

長谷川康男

明治学院大学心理学部教育発達学科准教授。専門は生活科教育、社会科教育、総合教育。早稲田大学教育学部社会科卒業。千葉県習志野市立谷津小学校教諭、筑波大学附属小学校教諭、副校長を経て現職。「生活科」「社会科」「総合」の授業研究に携わり、現在は、子どもの学ぶ意欲や問題意識のもたせ方の研究を進めている。

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