「良い母親にならねば」と苦しんだけど…3児ママに笑顔を取り戻させた「適当と必要最低限」
ボンベイさんには、どんなに忙しくても、毎日、絶対に確保したい親子の時間があるそうです。それは、娘さんたちと自分自身を幸せにする”かけがえのない時間”。
※本稿は『PHPのびのび子育て』2020年7月号から一部抜粋・編集したものです。
ゴールデンタイムは寝る前の1時間
うちには、5歳の長女と2歳の双子の次女と三女がいます。3人とも、毎日よく遊び、よくしゃべり、よく笑って暮らしています。
私はといえば、働きながらの子育てと家事で、正直、とっても忙しいです。子どもの話に耳を貸さねばと思いつつも、「ちょっと待ってね」と後回しにしたり、「今は無理、絶対無理〜」と拒否したりすることもよくあります(笑)。
でも、大丈夫。うちにはとっておきのゴールデンタイムがあります。それが寝るまでの1時間。
私も子どもたちも21時には寝るのですが、その前は、絵本→ボディマッサージ(ママのまね)→ストレッチ(ママのまね)→ギュー(1人ずつ抱きしめる)→4人で川の字になって布団に入る→照明を消す→その日にあったことを1人ずつ報告する→寝る、というルーティーンがあるんです。
ちなみに”ギュー”は子どもによって数が違うことがあります。たとえば、先日は長女がお手伝いしてくれたので「今日は10″ギュー”ね」と日中にちゃんと約束しておいて、夜の”ギュー”タイムでは10回抱きしめました。
子どもたちが昼間、私に聞いて欲しかったこと、言いたかったことは、この時間にたっぷり聞いてあげられます。私も子どもたちの1日が知りたくて、「今日はおもしろいことあった」「だれと遊んだの」「どんなことしたの」など、いろいろな質問をします。
次女も三女も2歳にしてはかなりおしゃべりが上手(保育士さんの弁)なので、みんなで盛り上がります。この1時間をたっぷり楽しんで、私も子どもたちも幸せな気分でおやすみモードに入ります。
ときには帰宅が遅くなったり、ほかにやらなければならないことがあったりして、この時間の確保が危ぶまれることもあります。そんなときは、夕飯はキッチンにあるパンですませ、おふろはパス。
翌日にしっかり食べて、おふろに入ればOK、と割り切っています。私にとっては、やるべきことをキチンとこなすよりも、子どもの話を聞いたり、スキンシップをしたりすることのほうが、大事だからです。
絵本で知った「聞く楽しさ」
わが家の起床時間は毎朝6時。保育所に行くまでは時間があるので、絵本をたっぷり読んであげます。うちの場合、1日15〜20冊は読んでいるんじゃないかな。子どもたちは何度同じ絵本を読んでも、毎回集中して聞いています。みんな絵本を通して”聞く楽しさ”を知ったのかもしれません。
絵本を通して言葉のやりとりも生まれますよね。私は子どもたちに自分の価値観を伝えておきたくて、ときにはジェンダーフリーやLGBTの絵本を読むこともあります。
長女に「女の子が野球やサッカーするのって、どう思う」と聞いたら、彼女は少し考えて「いいんじゃない」と答えました。絵本を通じて、こんな会話もできるようになりました。
聞く力や話す力は親子のコミュニケーションの中で育っていくものだと思います。もちろん、子どもですから機嫌が悪いと私の話になんて耳を貸しません。
先日も双子の一方がご機嫌ななめで、ずっと泣いているときがありました。そのときはくまのぬいぐるみを使って声色を変え、「あれ〇〇ちゃん、どうして泣いているのかな〜」と話しかけました。私の話は聞かない娘が、くまさんには「あのね。△△が欲しかったの」なんて話します。
ちなみにこのぬいぐるみ作戦は、5歳の長女にも効果がありますよ(笑)。それでもダメなときは、あえて言葉がけをせずに、しばらく見守ることにしています。子どもは少しの時間で自分の気持ちを収めることができるんですよね。落ち着けば、ちゃんと聞く耳を持ちます。ときには待つことも必要だと思います。
双子の出産後、笑顔になれた
実は、私は長女を出産した頃に”いい嫁、いい妻、いい母親にならねば”と気合を入れ過ぎて、心身のバランスをくずしてしまったことがあります。私が無理して頑張っても、自分自身はもちろん、誰も幸せにできないことに気づきました。
“自分にとって本当に大事なものは何”そう問いかけ、下の2人が生まれてからは、家事は”適当”に、子どものお世話も”必要最低限”にして、自分を大切にしながら、子どもたちとの時間を楽しむことにしました。
それからは気持ちにゆとりができて、笑顔でいられるようになった私。ママが笑顔だと子どもたちも笑顔でいられますよね親子のやりとりもずっと豊かになった気がします。
そんなこんなで、うちは家事も子育ても完ぺきではありませんが、家族みんながハッピーでいられるので、しばらくはこのままでいいかな、って思っています。