親からの親身なアドバイスが「子どもの諦めやすさ」を高めてしまう危険性

ぞう先生
2024.03.21 15:24 2024.04.11 11:50

小学生の女の子

新しいことにチャレンジさせようと思っても、「自分にはできない!」とすぐに諦めてしまう…。そんな子にも何とか取り組んでもらおうと、手を尽くしている親御さんは多いでしょう。しかし良かれと思ってした手助けでも、逆効果になっている可能性があります。現役小学校教諭であり、継続アカデミー塾長としても活躍するぞう先生が語ります。

※本稿は、ぞう先生著 『うちの子、脱・三日坊主宣言!』(‎総合法令出版)から一部抜粋・編集したものです。

すぐあきらめる子ども

頭を抱える男の子

体育の授業で「後転」をしていました。マットの上でしゃがんで後ろ向きにくるっと回る技です。手本を見せてから、練習開始です。みんな見よう見まねで練習をしています。

そんな中、よく見てみると練習を一回やっただけでもうあきらめてしまい、見ているだけの子がいます。当たり前ですがこれではなかなか上達しません。

すぐにあきらめてしまう理由は一つではありませんが、これだけは早く直しておきたいというものがあります。

それは、失敗したくないという理由です。お手本のようにできない自分がはずかしい。かっこ悪い。失敗したら笑われそう。だから失敗したくない。そういった気持ちが行動にブレーキをかけてしまうのです。では、どうすればそのような考えが払拭できるのでしょうか?

まず、失敗してもいい雰囲気作りから始めます。具体的には、このようにします。

●失敗しても責めない
●失敗を笑わない
●失敗してもすぐアドバイスしない

詳しく見ていきましょう。

失敗しても責めない

父親に支えられる男の子

子どもはよく失敗をします。一回や二回ならまだ許せるのですが、何度も同じ失敗をすることがあります。そんなときに親が言ってはいけないNGワードがあります。それはこちらです。

「どうしてうまくいかないの?」

親としてはできない理由を聞くことで、改善点に気づいてほしいという気持ちなのだと思います。しかし、この聞き方には注意が必要です。なぜなら、子どもからしたら責められているような気になることがあるからです。

仮に、言葉の通り受け取ったとしてもできない理由を言葉にすることで、自分を否定的に見てしまう可能性もあり、そのためにやる気をなくしてしまうこともあります。

叱られたり、失望されたりするのではないかという不安がある場合、子どもは本音を話しにくくなります。

失敗を子どもの成長の機会と捉え、一緒に課題を解決していくために最適な質問があります。

「どの部分が難しかった?」
「どうすればできるようになると思う?」

このように聞くことで、建設的な意見をお互いに言えるようになります。また、自分の頭で考える力がつきます。これをくり返していくと、子どもは失敗を少しずつ受け入れられるようになります。

失敗を笑わない

手

次に失敗を笑わないことも重要です。中には、失敗をしても自分からテヘヘと笑う子もいますが、そういう子は、もうすでに失敗に対して肯定的な考えや免疫ができている場合がほとんどです。

しかし、そういう子は今までの経験上多くはないです。子どもが安心して挑戦するためにも親や兄弟、教師やクラスメイトは相手を傷つけないために失敗を笑わないようにすることが大切です。失敗は学びの機会であり、その過程を共有し合うことで成長が促進されます。

また、周りの見ている人の温かい目がモチベーションアップにもつながります。

失敗してもすぐにアドバイスしない

会話する父と子

「えっ? 失敗したらアドバイスするのは当然のことでは?」と思う方もいるかと思います。もちろん的確な場面でのアドバイスはとても有効です。しかし、すべての状況でアドバイスが適しているわけではありません。

子どもに失敗してほしくないという気持ちからアドバイスしてしまうことがあるのですが、いつもすぐはやめたほうがいいです。親からすれば、好意でアドバイスをしているのですが、子どもからすれば失敗のたびに何かを言われている状態となります。

例えば、自転車に乗る練習をしているとします。子どもが転びました。するとすかさず、お父さんが、

「今のは、ペダルがうまくこげてないからだ」
「今のは、前を見ていないからだ」
「今のは、ブレーキをかけていないからだ」

などと、失敗のたびに問題点を指摘されたら、しんどくなりませんか? よかれと思って助言してくれているとわかっていても、これが続くと、「一人でやらせてくれ」と感じることもあるでしょう。

お子さんが今、アドバイスを求めているのか? もしくは、自分で課題解決策を考えようとしているのか? そこを見極める必要があります。自分で解決しようとしている場合は、そっと見守ることも必要です。

雰囲気作りができると、次に失敗は悪くないことを伝える必要があります。具体的には、失敗は挑戦の証、胸を張っていいと言い続けるのです。いきなりうまくできることなんて滅多にない。みんな失敗をくり返す中で上手になったんだということを語りましょう。

「お父さん、お母さんも子どものころやったとき、最初はまったくできなかった」と話せばいいのです。

また、果敢に挑戦することを褒めることも効果的です。僕はよく、挑戦して失敗した子には、「ナイストライ!」と声をかけます。

一度、失敗してもいいという気持ちが芽生えると、どこでも練習をするようになります。後転だと家でも練習する子も出てきます。後転ができるというゴールに向かって、黙々と練習に励むようになります。

学校では、先生やクラスメイトが決して失敗を責めない、笑わない、といったことを実践しています。家では誰がその役目を果たすのでしょうか? その答えはもちろんパパやママです。

普段から失敗しても大丈夫という雰囲気があれば、子どもは学校で習ってできなかったことを家でもどんどん挑戦するようになります。できなければ一緒に考え、できたら一緒に喜ぶ。親は子どもの一番の応援団でありたいものですね。
 

ぞう先生

ぞう先生

1980年生まれ、兵庫県神戸市出身。自身も三日坊主で「いろいろなことに挑戦するが続かない」という悩みを抱えていたが、小学校教諭として20年以上、1000人を超える子どもたちを指導してきた経験と、高校・大学の水泳部の経験から、「コツを知れば、誰でも継続できるようになる」ことに気づく。2022年より、継続のコツを教えるnoteメンバーシップ「継続アカデミー」を主宰。継続して、夢や目標を叶えるかっこいい大人を増やすことを目的に、SNS投稿や配信、講演を行っている。三児の父。

X:@zousanwarai

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「うちの子は、何をやっても三日坊主」「ゲームばかりで、宿題をやらない」これらの悩みは、本書で紹介する【継続】の方法を実践するだけで、すべて解決します! 小学校教師歴20年以上、「継続アカデミー」塾長で、3児の父である著者が【継続のコツ】を解説します。継続は、やる気や意志力、遺伝、性格、才能は関係ありません。継続のコツを知り「仕組み化」すれば、誰でもできるようになるものです。親子で一緒に実践することで、いつのまにか「自分から進んで行動し、やり抜ける子」に変身します。