思春期の子の心と上手につきあう方法とは? 専門家に学ぶ「子どもの本音」
思春期の子どもと上手くつきあえずにいる親は多いのではないでしょうか。理不尽な反抗や落ち込み、不登校などに頭を抱えている方も少なくありません。
そんな思春期特有の心の荒波に、『思春期の心理を知ろう! 心の不調の原因と自分でできる対処法』(松丸未来監修、PHP研究所刊)が一石を投じます。本書は認知行動療法の考え方に基づき、思春期の子どもの心の不調の原因と具体的な対処法を紹介しています。
思春期の子の心の痛みに共感する
思春期は、親子ともに試練の連続です。子どもは身体の変化に戸惑い、受験や人間関係などのストレスから不安やイライラ、落ち込みといった精神的な荒波に見舞われがちです。一方の親は、かつての子育て経験が役に立たず、子の心の内に分け入ることができません。
気をつけたい思春期の考え方のくせ
同書では思春期の子どもが陥りがちな考え方のくせを多く紹介しています。たとえば、以下のようなくせです。
・小学生の場合:良いことすら喜べない「マイナス化思考」 大会で活躍しても「でも他の子の方がすごかった」と、自分の良いところを無視する。
・中高生の場合:極端な「全か無かの思考」 テストで満点を取れなければ「意味がない」と、部分的失敗を全否定する。
認知行動療法で思春期の子の心のくせを直す
こうした考え方のくせに気づき、認知や行動を変えることで、心の不調を改善できるのが認知行動療法です。発熱時に休息を取るように、心の不調にも適切な手立てが必要だと監修者は説きます。
『思春期の心理を知ろう!』では不安やイライラ、落ち込みへの対処法を、具体的な方法を図解し紹介。小学生は思春期に備えた”予習”に、中高生は自分の言動を振り返る”復習”としても活用できます。
親子で読めば、互いに思春期の子の心理を理解し、認知行動療法のテクニックを共有できます。それが離れがちな心の距離を縮め、新たな絆を育む一助となるかもしれません。思春期の試練を乗り越えるヒントが、この一冊に詰まっています。
・考え方のくせを直せば、心はもっと軽くなる!
自意識や同調圧力が高まる思春期では、考え方(認知)のくせから不安、落ちこみ、イライラ、怒りなどの心の不調が生じ、つらい気持ちになることがよくあります。本書では、認知と行動が感情につながっていると考え、認知や行動を変えることで心の不調を治す認知行動療法の考え方と、自分でできる実践法を紹介します。