ポケモン 赤・緑世代は号泣間違いなし 『ポケモンのしま』【絵本レビュー】
nobico編集部員が、おすすめの絵本をご紹介します。
今回はザ・キャビンカンパニーさんの『ポケモンのしま』を、4歳の息子と一緒に読みました。
今回読んだ絵本はこちら
『ポケモンのしま』(小学館)
作: ザ・キャビンカンパニー
大好きだったポケモンを子どもと楽しみたい
今も昔も子どもたちから愛されている、「ポケットモンスター」、縮めてポケモン。
1作目のゲームソフト「ポケットモンスター 赤・緑」が発売されたのは、筆者がまだ小学生だった1996年。ピカチュウをはじめとする151匹との出会いは大変衝撃的で、私も多くの子どもたちと同じく、ポケモンとの冒険に夢中になったものです。
そして時は流れ現在。4歳になった息子は、そろそろポケモンに興味を持ち始めるお年頃です。
今こそ親子で一緒にポケモンを楽しむチャンス! という訳で、入門書として絵本『ポケモンのしま』をそっと差し出してみました。
果たして反応やいかに。
登場するのは151匹のポケモン
今や1,000匹以上存在するといわれるポケモンですが、この絵本に登場するのは、「赤・緑」に登場したおなじみの151匹です。
もともと生き物が大好きな息子は、「このポケモンの名前は?」「どんなところに住んでいるの?」と隅から隅まで興味津々でした。
親からしてみると、どのページも懐かしい友人だらけの、思い出のアルバムを見返しているようなもの。子どもの質問に対しても、「これはいわへびポケモンのイワークだよ!」と得意顔で解説できます。
繰り返し読むうちに、あっという間にポケモンに詳しくなっていく息子。「ギャラドスはみずタイプのポケモンだよね」「ヒトカゲはリザードに進化するんだよ」などなど、覚えた知識を披露するまでに。子どもの頭の柔らかさ、恐るべし……。
切ない物語に目からハイドロポンプ
美しい色彩でのびのびと描かれたポケモンたちの姿に、息子はページをめくるたびにわくわくしている様子でした。
しかし、大人にとってのこの絵本の魅力は、もしかしたらストーリーにあるかもしれません。
子どもだけが訪れることを許された島で、ポケモンたちと友達になった主人公のゆめたくん。
毎日たくさんのポケモンと共に、遊んで、笑って、夢のような時間を過ごします。
しかし、ゆめたくんはずっと子どものままではいられません。
身体が大きくなり、大人になったゆめたくんは、大好きだったポケモンたちにお別れを言わなくてはならないのです。
楽しい子供時代は、いつか必ず終わりをむかえます。
しかし、子どもの頃の楽しかった思い出が、大人になった今の自分をはげまし、支え、生きる力になってくれている。
そんな事実に気付かされるストーリーに、思わず目からハイドロポンプがあふれ出しそうになります。
子ども時代にポケモンに夢中になった大人ほど、ゆめたくんと自分を重ね合わせて読んでしまうのではないでしょうか。
かつてポケモントレーナーだったママ・パパへ
切ない物語に声が震える母をよそに、「ポケモンは子どもが大好きなんだねぇ~」と、完全に他人事な様子の息子。自分もいつか大人になるという事実に、まだ気が付いていないかもしれません……。
それにしても、子どもの頃大好きだったポケモンを、自分の子どもと一緒に楽しめるなんて、なんと幸せな事なのでしょうか。小学生の自分に、大人になったらこんな未来が待っているよと教えてあげたい気分です(言われた方はピンとこなさそうですが)。
個人的には、いつか子どもが絵本を読まなくなったとしても、ずっと手元に置いておきたいと思う名作でした。ポケモンに興味がある子どもはもちろん、かつてポケモントレーナーだった全てのママ・パパにもおすすめしたい1冊です。
(nobico編集部・セコリ)