子どもの食欲と好奇心を刺激! 写真絵本『人間は料理をする生きものだ』【絵本レビュー】

セコリ(nobico編集部)
2024.05.17 09:12 2024.06.06 11:50

人間は料理をする生きものだ

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nobico編集部員が、おすすめの絵本をご紹介します。
今回は、森枝 卓士 文・写真『人間は料理をする生きものだ』(福音館書店)を、4歳の息子に読み聞かせてみました。

今回読んだ絵本はこちら

人間は料理をする生きものだ

人間は料理をする生きものだ』(福音館)
文・写真:森枝 卓士
対象年齢:5・6才~

動物と人間の食事風景の違い

食欲と好奇心が刺激される写真絵本『人間は料理をする生きものだ』【絵本レビュー】の画像1

子ども向けらしからぬ、渋めなデザインの装丁(※個人の感想)ですが、息子は表紙の写真を見ながら「どれがおいしいかな?」とわくわく。ページを開く前から期待度高めの様子です。

まず登場するのは、皮ごとパイナップルを食べるヒヒや、獲物を骨ごと食べるライオンなどの動物たち。迫力ある写真の数々に、「皮、おいしいの?」「骨、刺さらない?」と目を丸くする4歳児の姿がありました。

他にも、タウナギを丸呑みするアオサギ、牧草を反芻しながら食べる牛など、人間とは違う食事風景に息子は興味津々です。

「料理」という行動を徹底的に掘り下げる

人間は料理をする生きものだ

動物は食べ物をそのままの姿で食べることができますが、人間は違います。

絵本の中では、食材を準備する方法(育てる、お金で買うなど)や、食材を美味しく食べるための工程(切る、炒める、煮る、焼くなど)が、豊富な写真とともに詳しく解説されています。普段何気なく口にしている野菜やお肉が、どれだけの手間をかけて食卓に並ぶのかを知ることができます。

つい説明を避けてしまいがちな、「動物を屠る」という行為についても、しっかりと触れられていました。お肉はもともと動物だったということに、息子はなんとなくピンときた様子。「屠るってどうやって?」と怖がる様子をみせつつも、お肉になった鶏の写真を見ると「おいしそう!」と一言。その切り替えの早さに、息子の生き物としての生命力を感じました。ぜひその調子で強く生きていってほしい。

ティラピアの揚げ物に興味津々

馴染みのない異国の料理を知ることも、この絵本の魅力。ずらりと並んだ見慣れぬ料理を指さし「これ食べたいな…」と興味を持つ息子の様子から、食いしん坊の才能が垣間見えました。

「どれが一番食べたい?」と聞くと、ウガンダの食事(ティラピアという魚の揚げ物に、主食としてバナナを添えたもの)を選ぶ魚好きの息子。 食べさせてあげたいけれど、日本で味わえる機会があるかしら…。

読んでいるとお腹がすいてくるので、食事前に読むのがおすすめかもしれません。

図鑑並みの満足感!

写真満載のこちらの絵本、図鑑好きの息子のツボに見事はまったようです。表紙の印象から子供向けっぽくないなどと思っていましたが、大人の思う「子供らしさ」と、子どもが本当に「良い」と感じるものは一致しないのだと実感。

一見普通の薄さの絵本なのですが、内容が大変濃く、気がつくと20分以上一緒に読んでいました。 「これはどういう意味?」「あれは何?」と質問攻めにあうので、じっくり読み聞かせられる時間があると良いかもしれません。

ちなみに、親である私が個人的に印象に残ったのは、「人間は家族や仲間といっしょに食べます」という一文です。一緒に美味しいものを食べ、喜びを分かち合えるのは人間だけの特権。毎日の食事を用意するのは大変ですが、家族と一緒に食事ができる喜びをかみしめなければいけませんね……。

食べることが好きな子や、「物語よりも図鑑派」という子には、特におすすめしたい一冊です!

(nobico編集部・セコリ)

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