子犬をゴマ油まみれに…中国の昔話に4歳児の反応は?『こいぬを つれた かりうど』【絵本レビュー】
nobico編集部員が、おすすめの絵本をご紹介します。
今回は、『こいぬを つれた かりうど 中国の昔話』(福音館書店)を、4歳の息子に読み聞かせてみました。
今回読んだ絵本はこちら
『こいぬを つれた かりうど 中国の昔話』(福音館書店)
再話:牧野 夏子、絵:佐々木 マキ
対象年齢:4才~
中国の昔話に挑戦
桃太郎や竹取物語など、日本にも数多く存在する「昔話」。
幼いころから何度も繰り返し聞いてきた物語に少々マンネリを感じ、ふと「海外の昔話にはどんなものがあるのだろう?」という疑問がわきました。
というわけで、今回はこちらの絵本を読んでみることに。
佐々木マキさんの絵がポップで可愛く、とっつきやすそうです。
はたして、中国の昔話は日本の4歳児に受け入れられるのでしょうか?
主役は香り高きゴマ油犬
物語の主役は、年老いた狩人と、そのペットの子犬。
子犬は、ただの子犬ではありません。
まいにちゴマ油に浸したパンを食べ、
水の代わりにゴマ油を飲み、
ゴマ油で身体を洗う
…という、徹底した「ゴマ油漬け」の生活を送っています。
そのため、子犬は全身油でツヤツヤ、香ばしいにおいをさせているとのこと。
このクセ強めな設定に、戸惑いの表情を見せる息子。
息子も結構なゴマ油好きなのですが、あきらかに許容範囲を超えているようです。
しかし、気にせず読み進めていきます。
無防備な子犬を置き去りに
ある日、狩人はトラを退治しに行くことに。
しかし、持ち物は縄のみ。例の子犬も連れていきますが、どう見てもトラに勝てそうにありません。
狩人はトラが住む山につくと、子犬を縄で木に縛り付け、その場から立ち去ってしまいます。
なぜそんなひどいことを。嫌な予感しかしません……。
案の定、ゴマ油のにおいに誘われトラが大集合。
そしてあっという間に食べられてしまう子犬ちゃん。
ほらー!!!そうなると思った!!!
容赦ない捕食シーンに、4歳児も怖がって目を背けます。
しかし次の瞬間、我々の想像を超える衝撃の展開が……!
この先はぜひ、絵本で確認してみてください。
意外な結末に、4歳児は「えっ……やばっ……」とつぶやいていました。
読み聞かせに新風が吹く!
4歳児は終始戸惑いつつも、最後まで集中して物語を楽しんでいました。
「知恵は力に勝つ」というメッセージ性もあり、日々戦いごっこに明け暮れる息子にとって、新しい価値観に触れるいい機会になったようにも感じます。
意外性のあるストーリーでオチが読めず、親も新鮮な気持ちで読み聞かせを楽しめました。昔話に「トラ」や「ゴマ油」が出てくるのは、やっぱり中国ならではですよね。
定番の物語にマンネリを感じているママ・パパは、ぜひお子さんに本作を手に取ってみてはいかがでしょうか。
きっと日々の読み聞かせに、新しい風が吹くことでしょう。
(nobico編集部・セコリ)