他人の評価に振り回されないために、10代から実践したい「自分らしい生き方」

堀田秀吾
2024.10.01 10:10 2024.08.26 11:50

頬杖をつく男の子

先生や友人、親からの言葉…。どうしても周囲の目は気になってしまうものです。しかし、どう見られるかばかりを気にしていては、自分らしさを失ってしまいます。

他人からの評価を気にせず、自信を持って生きるには? 明治大学法学部教授・堀田秀吾さんによる書籍『12歳から始める心が折れない技術』からご紹介します。

※本稿は、堀田秀吾著『12歳から始める心が折れない技術』(秀和システム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

他人からの評価を気にしない人になる方法

小学生の男の子

他人からのことばや評価って、少なからず気になりますよね。いくら気にしないようにしても、どうしても気になってしまいます。それは、人間は一人で生きていくことができない、人の中で生きていかなければならない生き物だからです。

友だちや大切な人たちとのつながりをたもちたいし、一緒に社会生活を送っていく人たちとの関係を大切にしなければいけません。ですから、自分のことをほかの人がどう思うか、気になるのは仕方のないことです。

また、ほかの人の意見や評価は、自分のことを知る手がかりとなります。友だちや先生、家族からの印象や評価を通して、客観的な視点から自分の強みや、のばすべき点を知ることができます。

ただ、気にしすぎると、こわくなって行動ができなくなったり、自分らしさを失ったり、ストレスになったりします。

ですから、他人からの評価は大切ですが、それにふり回されすぎないように気をつけることも大事です。自分の気持ちや考えを大切にしつつ、他人の意見も受け入れて、本当にやりたいこと、なりたい自分を見つけていくことが大切です。

思春期のイメージ

では、どうしたら、他人の目を気にしない人になれるのでしょうか?

大切なのは「自分軸」を見つけることです。自分軸というのは、まわりの意見に流されたりしないで「自分がどうしたいか」「どうありたいか」という、自分の中心となる基準ですよね。

この自分軸がはっきりすれば、まわりの意見に左右されなくなりますし、自分の意見をしっかりと言えます。そして、自分らしい人生を送ることができるようにもなります。

自分軸を作るには、まずは自分自身のことを分析することが大切です。自分の好きなこと、得意なこと、興味のあることは何なのかをはっきりさせましょう。これらは、紙に書き出すと整理しやすくなると思います。ペンとノートを持ってきて実際に書き出してみてください。

とくに、過去をふり返ってみて、いちばん好きだった自分はどういう自分だったのか、自分がいちばんかがやけたのはどういうときだったのか……。

そういうことをふり返りながら、そのときの自分の心の状態はどんなものだったかなどを考えて、自分自身のなりたい未来の姿に結びつけていくのです。自分軸を大切に生きていくために、ほかにも大切なことがあります。自分と他人をくらべないこと、自分を信じてあげることです。

自分でどう行動するかを決めることを「自己決定」と言います。この自己決定度合いが高い人は、幸福度も高いということがわかっています。また、自分で決めたことを実行すると、失敗しても後悔が少なくなります。自分のことなのですから、他人の目や評価にふり回されずに、自分軸をしっかり固めて自分で決めていきましょう。

親や先生との約束よりも、自分との約束を優先しよう

勉強する女の子

前の話でふれた「自分軸」をしっかりと持っていく上で、もう一つ大切なことがあります。それは、親や先生との約束よりも、自分との約束を優先することです。

自分との約束を守るとは、どういうことをいうのでしょう。

たとえば、このようなことを決めたことはありませんか?

「毎日10分英語の勉強をする」
「週3回はランニングをする」
「やり始めたことは必ず最後までやる」

このように、自分自身で決めたことを、きちんと実行することを言います。

つかれていて、今日はやりたくないという気持ちが出てくることもあるでしょう。でも、自分自身が相手です。うそはつけませんし、いいわけも通用しません。どうしてやりたくないかという理由を知っているからです。なにせ、自分自身のことですから。

自分との約束を守ることはとても大切です。自分との約束を守ることで、自信がつきます。そして、より確実に目標を達成しやすくなります。また、そうやって、少しずつ必要なことを達成していくことで、将来の夢に近づくことができます。

もちろん、さまざまな理由で、自分との約束が守れないときもあるでしょう。そういうときは、なぜ守れなかったのかという原因をあらい出して、次はどうすれば守れるのかを考えるのです。

約束を守れなかったことは、自分でだれかに話さないかぎり、だれにも気づかれないでしょう。だからこそ「だれも知らないんだったら、守れなかったけど、まあいいや」という考えは絶対にいけません。そういうあまえを克服することが、成長なのです。

その意味で、自分との約束を守ることは、自分自身を成長させるための大切なステップです。

決めたことをわすれないように、できれば書き出して、部屋の中にはりましょう。そういうふうに、つねに目標が目に入るようにすると、実現率が高くなるという研究があります。

「高校入試、絶対合格!」みたいな漠然とした内容ではなく、より具体的に、日々実行でき、ちょこちょこと達成感を感じやすいものにするのがいいでしょう。より身近で、わかりやすい目標を考えてみてください。

堀田秀吾

堀田秀吾

言語学博士。言語学、法学、社会心理学、脳科学等の分野から言葉とコミュニケーションをテーマに研究を展開。『人間関係の99%はことばで変わる!』『科学的に元気になる方法集めました』等著書多数。

X:@syugo_h

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