推薦系選抜でチャレンジ校に合格するには? 明光義塾が教える「受験生が注力すべき科目」

明光義塾

大学入学共通テストまであとわずかとなり、受験シーズンが本格化しています。推薦系選抜は11月~12月頃に行われることが多いため、年内に大学受験を終える生徒も少なくありません。特に私立大学では、すでに半数以上の学生が推薦系選抜で入学しており、受験生や保護者にとって身近な選択肢となっています。

明光義塾では、大学進学を希望する高校生の子どもを持つ保護者840名を対象に、推薦入試に関する意識や現状について調査を実施。本稿ではその調査結果をご紹介いたします。

※推薦系選抜とは、学校推薦型選抜、総合型選抜などの総称です。

推薦入試への関心の高まり

【Topics】あなたのお子さまは推薦系選抜を受験する予定ですか?

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推薦系選抜を知っていると回答した保護者781名を対象に質問したところ、半数以上が推薦入試の受験を予定または検討していることがわかりました。推薦系選抜は一般的な受験方法として定着しつつあります。

Q1 あなたが知っている大学入試についてお答えください。(n=840、単一回答方式/マトリクス)

全国の高校生を持つ保護者840名を対象に、大学入試方式についての理解度を調査しました。その結果、一般選抜についてはほとんどの保護者(95.6%)が「知っている」、学校推薦型選抜も92.5%が「知っている」と回答しました。しかし、総合型選抜については63.2%にとどまり、まだ情報不足な部分があることが明らかになりました。

Q2 あなたが思う推薦系選抜のメリットを教えてください。(n=781、複数回答方式)

「推薦系選抜について知っている」と答えた保護者781名に、そのメリットを尋ねたところ、最も多かった回答は「早く合格が決まること(72.3%)」でした。多くの保護者は、推薦入試の最大のメリットとして、一般入試と比べて早く合格の知らせが届くことを挙げています。

Q3 お子さまが推薦系選抜を受験する場合、現在の偏差値よりも上の大学を志望しますか?(n=435、単一回答方式)

推薦系選抜を検討している435名のうち約半数が、現在の自分の偏差値よりも高いレベルの大学を志望していることがわかりました。具体的には、17.2%の人が明確に「偏差値が上の大学」を、31.7%の人が「どちらかというと偏差値が上の大学」を志望すると回答しています。

Q4 お子さまが推薦系選抜を受験する場合、学校の授業だけでは不安を感じますか?(n=435、単一回答方式)

推薦系選抜を検討している保護者435名のうちの多く(67.8%)が、学校の授業だけでは不安だと感じているということが判明しました。

Q5 あなたは学校の授業だけではどのような不安を感じますか?(n=295、複数回答方式)

学校の授業だけでは不安を感じると回答した295名を対象に、どのような不安を感じるか質問した結果、最多回答は「小論文対策(48.8%)」、次いで「個別の弱点対策(41.4%)」、「学科試験対策(36.9%)」と続きました。

Q6 あなたのお子さまが学業以外に力を入れていることを教えてください。(n=435、複数回答方式)

推薦系選抜を検討しているご家庭に、子どもがいま力を入れていることを伺ったところ、半数以上の方が「部活動」と回答。次いで、資格取得、学校行事への参加と続きました。

Q7 あなたのお子さまは、推薦系選抜と一般選抜に向けた入試対策を並行にしていますか?(n=435、単一回答方式)

推薦系選抜の受験を予定・検討していると回答した435名を対象に質問したところ、約3割は、推薦系選抜だけでなく、一般入試の対策も同時に進めていることがわかりました。

<調査概要>
調査対象 大学進学を希望する高校1年生~高校3年生の子どもを持つ保護者840名
調査期間 2024年9月27日~2024年10月1日
調査方法 インターネットリサーチ調べ
※回答率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示しているため、合計数値は必ずしも100%とはならない場合があります。

「推薦系選抜に関する実態調査」明光義塾担当者のコメント

これまで「推薦を目指すなら学校対策のみ」という方も多かったと思いますが、大学入試が変わり「推薦も一般も並行して目指す」という方が現在3割に。東洋大学など、学力重視の推薦系選抜も増えているため、今後「一般選抜と推薦系選抜とを両立して対策したい」という傾向はさらに強まると予想されます。

高校生は学習する科目が多く、推薦系選抜の半数以上で必要な「学習成績の状況(評定平均値)」を上げるためには多くの科目の対策をする必要があります。範囲も広がり難易度も上がる高校で好成績を取るためには、「先取りでの学習」がカギです。

先取りで学習することにより、学校での勉強が復習になり、学力(模試の成績など)も向上しやすくなります。計画的に学習して、増えている「推薦系選抜」のチャンスを活かしましょう!

推薦系選抜Q&A

Q. 推薦系選抜のメリット、デメリットとは?

A. 推薦系選抜は、専願方式だけでなく、合格しても並行して他大学を受験できる「併願」方式があります。併願方式を活用して、まずは「安全校」や「実力相応校」の合格を年内に獲得し、一般選抜で、「第一志望校(目標校)」にチャレンジする受験生が増えつつあります。

安心して第一志望校の受験に臨めるだけでなく、併願校の受験回数も減らせるので、金銭的にも体力的にも、受験生や保護者に優しい受験スケジュールです。

推薦系選抜を考える場合、学力だけでなく「高校の学習成績の状況(評定平均値)」も重要な要素です。高1から、主要科目だけでなく「全科目の定期テスト対策」を行う必要があります。

ただ、評定平均値を問わない「学力型」の推薦系選抜も少しずつ増えています。最新情報を確認して、自分に合った推薦系選抜にチャレンジしましょう!


Q. 推薦系選抜を利用する受験生が力を入れるべき科目は?

A. ほとんどの推薦系選抜では、面接や小論文、口頭試問などが課されます。

その際に必要なのは、質問や設問を理解する「読解力」、質問の意図を捉える「思考力」、適切な答えを瞬時に考える「判断力」、考えたことを言葉や文章にする「表現力」です。

すべての基本は読解力。「現代文」の対策をすること、また、いろいろな科目で教科書を何度も音読することによって読解力の基礎を養えます。一朝一夕では身につかない力なので、ぜひ高1の時から取り組んでください。


Q. 「現在の自分の偏差値よりも高いレベルの大学を志望している」受験生が多いようですが、実際のところ実力以上の学校に合格できる人はどれぐらいなのでしょうか?

A. 推薦系選抜では、評定平均値だけでなく、志望理由やこれまでに取り組んだこと、大学に入って取り組みたいこと、将来の展望、取得した資格、学力を測る試験など、その大学の要項に従い総合的に判定されます。

志望の大学や学部学科を早期に決め、過去の要項を参考にしながら、紐づきそうな経験を重ねれば、実力以上の大学に合格できることも。

ただし、面接官(大学の先生)は多くの学生を見ているので、「一般選抜に向けて努力していない」場合にはすぐに見破られます。また、推薦系選抜は、一般選抜に比べ、年度によって要項が変更になることも。推薦系選抜を希望する場合でも、一般選抜受験の対策は並行して行うことが重要です。

解説:明光義塾本部教務部 武藤麻紀子

※参考情報
・明光義塾教育情報サイト「明光プラス」
https://www.meikogijuku.jp/meiko-plus/