「九九がなかなか覚えられない子」におすすめの5ステップ
九九が覚えられない、意味が理解できない子が、苦手を克服するために試したい5ステップとは?
「さくらんぼ教室」の伊庭葉子先生、赤塚智美先生の解説を 著書より抜粋してご紹介します。
※本稿は、伊庭葉子著, 赤塚智美著『さくらんぼ教室メソッド 発達が気になる子の「できる」をふやす 算数』(Gakken)から一部抜粋・編集したものです。
九九を覚える・理解する
親の視点:九九がなかなか覚えられません。5の段まではなんとか覚えましたが、6~9の段を覚えるのにはまだまだ時間がかかりそうです。かけ算の意味が理解できていないようです。
子の視点:九九ってなんでこんなにたくさんあるの? 全部覚えるなんて無理! 九九をなぜ覚えなくちゃいけないんだろう。
学びの手立て
はじめに、「3×4は3が4つあること」などかけ算の意味を絵や図を手がかりに「見える化」して、イメージできるようにします。九九を覚えるペースは子どもによって異なりますので、あせらせずに「1の段」から始め、「見ながら」「聞きながら」「唱えながら」「書きながら」、その子に合う方法で楽しく覚えていきましょう。
STEP1:かけ算のイメージを「見える化」
絵や図を手がかりに、「一つの箱にケーキが3個ずつ入った箱が4箱あると……」のように「3が4ある」ことと、「×」(かける)の意味をつなげられるようにします。
STEP2:1の段
「1の段」は、1にどんな数をかけても、答えはかける数になることを確認して、自信をもって答えを言えるようにしておきましょう。
STEP3:2~5の段
「2の段」「3の段」「4の段」「5の段」と、それぞれ九九の表を見ながら覚えていきます。「暗記する」ことを目的とせずに、九九の表やカードを手がかりにして、声に出しながら楽しく覚えていきましょう。
STEP4:6~9の段
後半になって覚える数が大きくなってくると、「4(し)」と「7(しち)」がまざったりして、正確に覚えるまでに時間がかかります。読み方を書いた九九の表をクリアファイルに入れていつでも見られるようにしておくとよいでしょう。
STEP5:実際にやってみる
実際に「一つのふくろにあめを4個ずつ入れて、5ふくろつくる」などの作業をして、九九(4×5)と結びつけてみます。「〇個ずつ入れた」ことがわかりやすいように、透明のふくろを使うとよいでしょう。「いちごを2個ずつ4つの皿に置く」など、生活の中に実践するやり方はたくさんあるので、子どもが楽しめるものを工夫してみましょう。
P O I N T
「九九を覚えること」と「かけ算を理解すること」は同時に求めず、子どもが得意なほう(少しがんばればできそうなほう)から取り組みましょう。九九を覚えることが得意な子は9の段まで覚えてから、「意味」をていねいに教えます。「覚えること」に時間がかかる子には、歌で覚えたり、九九の表や九九カードなどをそばに置いて、いつでも確かめられるようにしたりするなど、子どもに合った方法で練習していきましょう。
『さくらんぼ教室メソッド 発達が気になる子の「できる」をふやす 算数』(伊庭葉子著, 赤塚智美著/Gakken)
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