「ひらがながを書きたがらない子」を変える、親の3つの効果的サポート
ひらがなを書きたがらない、字の書き方が自己流……そんなお子さんに対して、親ができることはあるのでしょうか?
「さくらんぼ教室」の伊庭葉子先生、小寺絢子先生のアドバイスを、著書より抜粋してご紹介します。
※本記事は伊庭葉子,小寺絢子著『さくらんぼ教室メソッド 発達が気になる子の「できる」をふやす 国語』(Gakken)より一部抜粋・編集したものです。
ひらがなを書く
親の視点:ひらがなは読めていますが書くことが苦手で、あまり書きたがりません。文字の書き順が自己流で、字の形を正しくとらえていないようです。
子の視点:「よく見て書きなさい」って言われても、どこから書いたらいいのかな。がんばって書いても、どうせ「書き直しなさい」って言われるし……、つかれるなあ……。
学びの手立て
鉛筆を持って書くなど指先を使う作業が苦手でうまく書けない子、「文字」と「音」が結びつきにくくなかなか文字が思い浮かばない子、「文字」は思い浮かんでいるけれど「書く」段階でミスが多くなってしまう子など、さまざまです。どの部分をサポートしたら自信をもって書けるかを考えながら練習します。
STEP1 書くことが楽しくなるように
文字を書く前の準備をします。直線や曲線、点つなぎなど、鉛筆を持ってかくことが負担なくできているでしょうか。直線や曲線など、「これなら簡単にかける」という段階から練習してよいのです。鉛筆の持ち方を無理に矯正するよりも、「じょうずにかけているね!」とほめてあ げてください。「こうやって手を動かしたら、こんな線がかける」ことを子どもが体験をとおして感じ、いろいろな線がなめらかに楽しくかける練習タイムをつくりましょう。
STEP2 思いきり大きく書いてみる
まず、なぞり書きで大きく書く練習をしてみましょう。手をそえていっしょに書いたり、書き始めの始点をマークしたり、蛍光ペンなどで筆順ごとに色を変えたりしながら練習します。文字の大きさの目安は、その子が「負担なく書ける大きさ」 です。ノートのマス目にかかわらず、まずは思いきり大きなひらがなのなぞり書きから、次のような進め方で練習します。
1.なぞり書き
2.手本を見て見写し書き
3.一人で書いてみる
・大きな文字から小さな文字へ
・ 画数の少ない文字から、交差や回転のある複雑な文字へ
STEP3 絵を見て言葉を書く
絵を見て「これは、いす!」と認識し、「い」「す」という二文字を思い浮かべて正しい順番で 書く練習をします。「『す』ってどうやって書くん だっけ?」と子どもがあせってしまわないよう、 最初は五十音表などのヒントがあるとよいでしょう。また、すぐ横にヒントを書いてあげてもよいでしょう。
POINT
鉛筆の持ち方、筆順、「とめ・はね・はらい」などには厳格になりすぎず、「楽しく負担なく書けている」「書けた文字が読める」ことを目標に取り組みましょう。じょうずに書けた文字をほめるとともに、うまく書けていない文字は、すぐに書き直させるより、手本を見せて「ここが少し惜しかったね」「もう一回だけかっこよく書いてみよう」などと声をかけ、子ども自身が少しずつ形を意識して書けるよう支援します。
『さくらんぼ教室メソッド 発達が気になる子の「できる」をふやす 国語』(伊庭葉子著, 小寺絢子 著/Gakken)
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