子どもの受験本番に備える 医師が教える「追い込み時期の体調管理法」
受験シーズンがいよいよ本番を迎えます。この時期は勉強の追い込みが大切ですが、体調を崩してしまっては本末転倒。そこで、子どもの健康を守るために保護者ができる具体的なサポート法について、総合診療医の笹倉渉先生に伺いました。(取材・文/吉澤恵理)
医師に聞く「受験勉強期の理想的な睡眠時間」とは?
――勉強に集中するあまり夜更かししがちですが、最低限確保すべき睡眠時間はどのくらいですか?
笹倉先生:勉強に集中していると、「もう少しだけ」と思って夜更かしを続けてしまうこともありますよね。しかし、睡眠不足は勉強の効率を下げる大きな要因です。脳は睡眠中に記憶を整理するため、睡眠が不足すると勉強した内容が定着しにくくなります。
適正な睡眠時間は個人差がありますが、最低でも6~8時間の睡眠を確保してほしいですね。無理に夜中に詰め込むのではなく、早寝早起きを心がけて朝の勉強時間を活用するのが理想的です。私自身も学生時代、睡眠不足で体調を崩し、試験で力を発揮できなかった経験があります。
試験本番で最高のパフォーマンスを発揮するための起床時間は?
――朝起きた直後に「頭が働かない」と感じる場合、試験当日にスムーズに脳を目覚めさせる方法はありますか?
笹倉先生:起床後に脳が活発に働き始めるまでには、30分から1時間程度かかります。試験当日だけでなく、普段から朝に余裕を持った生活リズムを整えることが大切です。
おすすめのルーティンとしては、起床後にコップ1杯の水を飲むこと。これにより体内の血液循環が促進され、脳が活性化します。また、朝食をしっかりとることも重要です。特に、ブドウ糖を含む食品(ご飯や果物など)は脳のエネルギー源として効果的です。
さらに、朝日を浴びることや軽いストレッチも良い刺激となります。ストレッチで筋肉をほぐすと体内時計が整い、脳がスムーズに働くようになります。朝に少しでも体を動かす習慣をつけることで、気持ちの切り替えもスムーズになりますよ。
集中力を維持するために最適な部屋の気温と湿度は?
――勉強中、冬場の暖房で部屋が暖かくなりすぎることがあります。勉強効率と部屋の温度に関係はありますか?
笹倉先生:暖房が効きすぎると、眠気を誘ったり部屋の乾燥を招いたりするため、適切な室温と湿度を保つことが大切です。理想的な室温は18~22℃、湿度は45~65%と言われています。また、「頭寒足熱」を意識することもポイントです。
頭部を涼しい状態に保ちながら、足元を温めると全身の血流が良くなり、集中力が維持しやすくなります。厚手の靴下やひざ掛けを使うのも良いでしょう。また、定期的に換気をして新鮮な空気を取り入れることも、眠気防止や集中力向上につながります。
受験生だからこそ気をつけたい食事と間食
――勉強の合間や夜食に甘いものを食べたくなりますが、適切な摂取方法はありますか?
笹倉先生:甘いものは一時的なエネルギー補給にはなりますが、血糖値が急激に上がりすぎると、後に急降下して疲労感が増す原因になります。エネルギーを持続的に供給できるフルーツやカカオ70%以上のチョコレートがおすすめです。一方、スナック菓子や砂糖が多いジュースは控えた方が良いですね。
夜食を取る場合は、寝る3時間前までに消化が良いものを少量に抑えましょう。例えば、おかゆや温野菜、具の少ないスープなどが適しています。寝る直前に食べてしまうと、胃腸が消化活動を続けるため、睡眠の質を下げる原因になります。
――胃腸が弱い場合、試験シーズンに注意すべきことはありますか?
笹倉先生:胃腸が弱い場合は、普段から消化に優しい食事を心がけることが重要です。発酵食品(ヨーグルトや納豆)を取り入れることで腸内環境を整えたり、冷たい飲み物や脂っこい食事を避けることも効果的です。
試験直前に緊張で胃腸が不調になる場合もありますので、温かい飲み物や消化の良いものを少しずつ摂取すると安心です。腹痛や下痢が頻繁に起きる場合は、早めに医療機関を受診し、適切なケアを受けておくことをお勧めします。
――最後に受験生と保護者へのメッセージをお願いします。
笹倉先生:受験期は体力と精神力の両方が問われる時期です。受験生本人はもちろんですが、保護者のサポートも大切です。健康的な生活リズムを整えることで、勉強の質も向上します。食事や睡眠、適度な運動を通して、お子さんがベストな状態で試験に臨めるようサポートしてあげてください。体調管理が受験成功のカギです!
































