人気講師が「英検にこだわりすぎないで」と語る理由は? 子どもの好奇心伸ばす英語学習のコツ

小河園子
2025.01.31 11:22 2025.02.17 11:50

勉強する男の子

子どもの英語学習で気になるのが、英検のタイミング。人気講師の小河園子さんが「焦らなくて大丈夫」と語る深い理由とは?
著書より抜粋してお届けします。


※本稿は、小河園子 (著)『気がつくと子どもの英語力がぐんぐん伸びている おうち英語』(Gakken)から一部抜粋・編集したものです。

「英検」は読み書きの後でOK

勉強する女の子

単語を覚えたり、英会話を少しずつ始めると気になるのが英検のこと。まず一つ言えることは、焦らなくても大丈夫、 ということです。みなさんが気になる級数ですが、小学生で、なおかつお子さんが興味があるようなら、小学5年生で5級、6年生で4級からスタートするのが一つの目安。その後、中学1年生で3 級の取得を推奨します。早くても小学校6年生で3級までが無理のない範囲でしょう。

どうしてこんなにゆっくりなのかというと、3級以上になると自分で文章を書く、つまり文法が入ってくるからです。3 級以上は、文字や文法がある程度わかっている前提で組み立てられているため、無理にやらせると英語が嫌いになるリスクも。それ以上進むのは、お子さん自身が「やりたい」と言ったら、でOK です。

それ以降は、中学2年生で準2 級、中学3 年生で2 級(中2 で3 級なら中3 で準2 級、高1 で2 級)が目安です。3 級から2 級にか けては、覚えるべき単語がさらに増えていくのでどんどん単語数を増やして達成感をつけていきましょう。

英検よりも「英語に慣れる」のが先

本を読む子ども

英検にこだわりすぎると、その枠の中での「対策」になり、かえって視野をせばめてしまうこともあります。

なによりも、英語に慣れることが最優先なのです。

図鑑などに出てくる動物の分類では、哺乳類はmammal といい、英検2 級以上の単語とされます。『ハリー・ポッター』で出てくる一角獣unicorn(ユニコーン)は、準1 級以上とされます。もしも、英検3 級の問題集だけをやっていたら、こうした単語との出会いは後回しになります。逆に、子どもの自然な好奇心にまかせていたら、単語力はぐんぐんと付くのです。

もちろん、インプット(聴く・読む)とアウトプット(話す・書く)の機会を工夫する環境整備がうまくいって、本人の吸収力の伸びにうまくハマれば、小学校で準1 級が可能であるケースは実際にあります。

だからといって、まだ文字もよくわからないのに、英検だけを追いかけると、親子ともに疲れてしまいます。ここは急 がば回れ! まずは音に慣れ、さまざまな文字に出会い、音と文字と表現がうまくつながると楽しくなっていくでしょう。

【SONOKO先生のワンポイント】
英検にこだわりすぎない、焦らない

小河園子

聖学院大学講師(非常勤)。元埼玉県立浦和高校教諭。浦和第一女子高校、南稜高校、浦和高校、お茶の水女子大学付属高校(非常勤)など国公立の高校で教鞭をとり、40年間の英語教師生活で1万人の生徒を導いてきた

X:@sono_english

Instagram:@sonokoogawa

おうち英語

気がつくと子どもの英語力がぐんぐん伸びている おうち英語』(小河園子著/Gakken)
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