ドラえもんの名場面に“偉人の言葉”を組み合わせると? 齋藤孝がコミックス全巻読破で挑んだこだわり

nobico編集部
2025.03.26 15:53 2025.04.01 11:50

読書をする小学生

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「うちの子はなかなか勉強に向かわない」「ゲームに夢中で、学ぶ時間がなかなか確保できない」と悩まれる保護者の方も多いはず。そんな中、子どもたちが自然と学びの世界に足を踏み入れるきっかけとなる本が登場しました。

ドラえもんに学ぶ偉人のことば』は、子どもたちに親しまれている『ドラえもん』の名場面と、古今東西の偉人たちの名言を結びつけ、その言葉が生まれた背景や思いを解説しています。本記事では、本書の作成秘話をご紹介します。

齋藤孝先生の情熱と徹底的なこだわり

齋藤孝

『ドラえもんに学ぶ偉人のことば』の誕生の裏側には、著者である齋藤孝先生の並々ならぬ情熱があります。

齋藤孝先生は、教育者として「いかにして子どもたちの知的好奇心を引き出すか」に取り組んできた人物です。今回のテーマとして選ばれたのは、子どもたちに親しまれている『ドラえもん』の世界と、時代を超えて語り継がれる偉人たちの言葉。この2つを融合させることで、より自然に学びのきっかけを作れないかと考えたのです。

先生は45巻にわたる『ドラえもん』全巻を、細部にわたって読み込み、子どもたちの心に響くシーンを丁寧に選定しました。

この膨大な作業には、「どの名場面が子どもたちに深く響くのか」を見極めるという重要な目的がありました。何気ないエピソードの中にも、人生を支える言葉や哲学が込められていることに改めて気づかされたといいます。そして、その場面にふさわしい偉人の言葉を選び抜く作業が始まりました。

その結果、全90の名場面コマが選定され、各シーンに小林一茶、アドラー、ソクラテス、金子みすゞといった、小学生に親しんでほしい90人の偉人たちの言葉と関連づけられています。

たとえば、のび太が未来に帰るドラえもんに「見たろ、ドラえもん。かったんだよ。ぼくひとりで。もう安心して帰れるだろ。ドラえもん」という「さようなら、ドラえもん」の不朽の名場面に、ヘレン・ケラーの「人生はどちらかです。勇気をもって挑戦するか、むだにするか」が紹介されます。

ドラえもんに学ぶ偉人のことば

先生の解説は、ただ知識を伝えるだけではなく、読む者の心にそっと語りかける温かさと説得力に溢れており、読後には「自分も頑張ってみよう」と思える力強いメッセージが感じられます。

偉人たちもまた、悩みや苦難を乗り越えてがんばっていた・・・そんな実話に触れることで、子どもたちは「今、どんなに困難な状況でも必ず変化は訪れる」と信じ、自らの歩みを前向きに進める勇気を得られるでしょう。

大好きなキャラクターを学びの入り口に

ドラえもんに学ぶ偉人のことば

現代は、パソコンやタブレットなどデジタル機器やゲームに囲まれ、学習へのモチベーションを維持するのが難しい時代です。しかし、子どもたちが大好きな『ドラえもん』の世界を活用することで、楽しみながら自然と学べるのではないでしょうか。

親しみやすいキャラクターを通じて歴史や人物に触れるという学習アプローチは、従来の勉強への抵抗感を和らげ、「学ぶ楽しさ」を実感させる可能性を持っています。

何気なく読んでいた『ドラえもん』のエピソードが、違った視点で見えてくる——そんな体験を、ぜひ多くの子ども達に味わってほしいと思います。

齋藤孝

齋藤孝

1960年、静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、同大学大学院教育学研究科博士課程を経て、明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。

ドラえもんに学ぶ偉人のことば

キミの心と頭を強くする! ドラえもんに学ぶ偉人のことば』(藤子・F・不二雄 原作/齋藤孝 著/小学館)

ソクラテス、孔子、ヘレン・ケラー、アドラー、金子みすゞ…
古今東西の偉人のことばを、ドラえもんの名場面コマとともに齋藤孝先生の解説で紹介します。
子どもに親しみのある『ドラえもん』を導入に、偉人のことばと齋藤先生の解説を読むことで心が励まされ、さらに偉人の名前やその功績を知ることで頭を鍛えられる一冊です。