ギリギリでも間に合う! ゼリーが固まらない“生パイナップル”のナゾを探る自由研究

夏休み終盤、自由研究に迷っているお子さんにおすすめなのが、身近な材料でできる理科実験です。キッチンにあるものや食材を使って、科学の不思議を体験してみましょう!
食べ物をテーマにした「パイナップルゼリーのひみつ」を、Gakken(編集), 尾嶋好美(監修)『中学生の理科 自由研究 お手軽編』から紹介します。
※本稿は、『中学生の理科 自由研究 お手軽編』(Gakken(編集), 尾嶋好美(監修)/Gakken)から一部抜粋・編集したものです。
パイナップルゼリーのひみつ

時間 7時間
難易度 ★★☆☆
研究のきっかけになる事象
ゼラチンでゼリーをつくるとき、生のパイナップルを入れるとゼリーが固まらないことがある。
実験のゴール
生のパイナップルがもつゼラチンを分解するはたらきについて調べ、ほかの食材でもこのはたらきがあるのか実験してみよう。
用意するもの
・ゼラチン(顆粒状)
・パイナップル(生)
・パイナップル(缶詰)
・キウイフルーツ
・ショウガ
・パパイヤ
・水
・プラスチック容器(9個)
・耐熱容器
・計量スプーン
・計量カップ
・はかり
・おろし器
・ふきん
・割りばし
・温度計
など
実験の準備: ゼラチン液を用意する
① 耐熱容器に270mLの熱湯を入れ、ゼラチン30gをふり入れてとかす。

1mL=1cc
大さじ1=15mL
顆粒状のゼラチンはふやかす必要がないよ。
ゼラチンをとかすときになべで沸騰させると、ゼラチンが固まりにくくなるよ。
② 粗熱がとれた①のゼラチン液を9個の容器に大さじ2杯ずつ入れ、7個の容器は冷蔵庫で3時間ほど冷やし固める。

「粗熱をとる」とは加熱した熱いものを少し冷ますこと。手でさわれる程度の熱さが目安だよ。
実験の手順 1: 生のパイナップルと缶詰のパイナップルで、ゼラチンが固まるか調べる
① 生パイナップルと缶詰パイナップルを1cm角に切り、冷蔵庫に入れなかったゼラチン液にそれぞれ10個ずつ入れる。

【注意】包丁や器具でけがをしないように気をつけよう。
② 冷蔵庫に入れ、2時間ほど冷やしてゼラチンが固まったかどうかを調べる。
実験の手順 2: パイナップル果汁の温度を変えて、ゼラチンを分解する量を調べる
① 生パイナップルの果汁を次のようにして1時間置く。

果汁をしぼるとき、厚手のキッチンペーパーを使ってもいいね。やぶれないように気をつけよう。皮膚が弱い人は、キッチン用のゴム手袋をしてね。
しぼった汁はすぐに使おう。
加熱するときは、大さじ3杯くらいを耐熱容器に入れて、ようすを見ながら加熱しよう。
【注意】加熱した果汁は熱いので、やけどに気をつけよう!
計量スプーンや器具は、1回使うごとに水道水できれいに洗うこと。
② 冷やし固めた3個のゼラチンの質量をはかり、①のパイナップル果汁を大さじ1杯ずつそれぞれのゼラチンに入れる。

③ 3時間ほど室温に置いた後、容器の液体をそっと捨て、残ったゼラチンの質量をはかる。

実験の手順 3: いろいろなものでゼラチンを分解する量を調べる
① 次のように調べる液を用意し、冷やし固めたゼラチンにそれぞれ大さじ1杯ずつ加え、実験の手順2の②、③と同じようにして残ったゼラチンの質量を調べる。

キウイフルーツは緑色の果肉のものを使おう。
【注意】実験で使ったゼラチンは食べないこと。
実験の注意とポイント
● ゼラチンは20〜30℃でとけ始めるよ。なるべく涼しい場所で実験しよう。
● 果物などの種類や鮮度、使う部位によってゼラチンを分解するはたらきがちがってくるよ。また、実験するときの温度によっても結果が異なるよ。
『中学生の理科 自由研究 お手軽編』(Gakken(編集), 尾嶋好美(監修)/Gakken)
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