中学受験で迷う志望校選び 成功した家庭が見逃さなかった“子どもの本音”

偏差値や学校のブランドに振り回されがちな志望校選び。中学受験を控える家庭にとって「志望校をどう決めるか」は大きな悩みのひとつです。
オンライン指導を中心に中学受験を支援する「中学受験スリースターズ」を運営し、自身の息子の中学受験も経験したユウキ先生が、志望校選びで迷う家庭が押さえておきたいポイントと、子どもの本音を尊重するヒントを紹介します。
※本稿は、『「まだ伸びる!」をあきらめない 中学受験 子どもの成績の本当の伸ばし方』(ユウキ先生/KADOKAWA)から一部抜粋・編集したものです。
6年生向け 志望校・併願校をどう決めるか?―わが家の併願戦略

中学受験のカウンセリングでよく相談を受けるのが「どのように志望校を決めれば良いのか?」というテーマです。偏差値、校風、通学時間、学費など学校選びの要素は複数あるので、「このタイプの子どもにはこの学校が最適!」と一律に判断することは難しいものです。だからこそ、私は実際に学校へ足を運び、直接確認することをおすすめします。
わが家では、息子が小学4年生の頃から学校説明会や文化祭に積極的に参加しました。最初の頃は本人もどこがいいのかよく分からない様子でしたが、その後6年生になるまで複数校の文化祭に参加し、最終的には6年生の時に参加した文化祭で、「絶対にこの学校がいい」と強く決意するに至りました。
保護者と子どもの意見が食い違うケースもよくありますが、子どもが強い希望を示す場合は、本人の意思を尊重することが何より大切です。
親と子どもの第一志望校のすり合わせ

志望校を決める際、最初に気になるのは、やはり学校のブランド力や偏差値といった要素です。偏差値の高い難関校の説明会や文化祭に行くと、生徒たちの落ち着いた雰囲気や自信にあふれた表情を見て、親としても「うちの子にもこんなふうになってほしい」と強く願ってしまう気持ちは、私もよくわかります。
ある家庭では子どもが4年生の頃から、親子で何度も学校説明会や文化祭に参加していました。初めは親の意向で御三家などの偏差値の高い学校を志望していましたが、子ども自身も親の期待を感じながら徐々に憧れを抱くようになり、最終的に第一志望を御三家に設定しました。
しかし、模試を受けていくにつれ、現実的に偏差値の差が10以上開き始め、6年生の夏の時点で模試偏差値が目標校の50%ラインよりも大幅に下回っていきました。「このままでは受からないかもしれない……」そんな不安を感じ、改めて親子で話し合いをしたところ、実は子どもは「第一志望校に掲げていた難関校よりも、別の学校の文化祭での生徒の雰囲気や学校の空気感の方が好きだった」とぽつりぽつりと話し始めたそうです。
そのとき初めて、わが子が心から望んでいる学校と、親が偏差値やブランドで判断していた学校が違うことに気づいたそうです。子どもが希望した学校は当初の第一志望より偏差値が若干低かったものの、模試の結果ではなんとか合格範囲内であったことに加え、本人が希望した学校だったことから、最後に頑張りを見せ、合格を手にしました。
学校に行き、友人たちと切磋琢磨して成長をしていくのは子どもたちです。だからこそ、志望校を決定する際には、偏差値だけでなく子ども自身が感じた学校や生徒の雰囲気、また学校の文化や空気感も尊重して決めることが、合格への道となります。
また、模試の偏差値を現実的な指標として冷静に受け止め、子どもの希望や気持ちをくみ取りながら志望校を変えることも、中学受験を成功させる大きなポイントになります。
『「まだ伸びる!」をあきらめない 中学受験 子どもの成績の本当の伸ばし方』(ユウキ先生/KADOKAWA)
「集団塾」「個別指導」「家庭教師」「オンラインサロン」など、中学受験のための選択肢が増える中、どこにどれだけ時間とお金をかけるのがわが子にとっての最適解か?
塾におすすめされる教材や講習はどれだけ取り組めばいいのか?
学校と塾の両立で気を付けるべきことは何か?
など気になる話を、元大手中学受験塾講師であり、保護者としても中学受験を経験したユウキ先生が忖度なしにつづります。






























