遅れそうになってもダラダラ~叱らず伝えられる魔法のカード

岩立京子
2023.03.23 15:04 2023.03.23 15:04

嫌がる子

子どもはやみくもに叱っては、効果がないばかりか、叱れば叱るほど、言うことを聞かなくなる場合もあります。叱らずに伝える魔法の方法について考えてみましょう。「PHPのびのび子育て」8月号から岩立京子著「叱らず伝えられる魔法のカード」を転載でご紹介する第2回です。

※本稿は、『のびのび子育て』2014年8月号から一部を抜粋し、編集したものです。

岩立京子(いわたて・きょうこ、東京学芸大学教授)
東京学芸大学教育学部卒業。専門は発達心理学、幼児教育。乳幼児期の発達やしつけなどについて研究している。1男1女の母。著書に『いい母は、いい子をつくれない』(経済界)などがある。

1.幼稚園バスに遅れそうになっても、ダラダラしているジンくん(5歳)

……あなたのために急いでいるのに」「マイペースなんだから」となげきたくなりますよね。

遅れそうになってもダラダラ~叱らず伝えられる魔法のカードの画像1

大人は目的や効率を考えながら行動します。一方で、子どもは目的や効率を考慮する力が未熟なので、急ぐ必要性も、どうやったら無駄を省けるかも考えず、そのときに関心を持っていることや楽しいことに向かって行動する特徴があります。

そのため、親が子どものために急いでいるのに、子どもがのんびりしていると、親はイライラしてしまうのです。

「急ぐ方法」と「メリット」を提示する

遅れそうになっても、ダラダラとご飯を食べている場合、「早く幼稚園に行くと、いっぱい遊べるよ。だから、早く、ご飯を食べていこう」などと伝え、急ぐ意識をもって行動できるようにします。

そのためには、前の晩に園のかばんに持ち物を入れておくなど、早く準備できる方法も伝えましょう。また、早く幼稚園に行くために、ある程度、急いで食事や支度をする模範を親が示し、急ぐ行動ができたら、ほめましょう。