指吸いが治りません~子育て相談室

斉藤孝子
2023.10.04 13:12 2010.09.18 12:00

斉藤孝子先生からのアドバイス

子どもを慰める親

指吸いについてのご質問ですが、お子さんが何かの不安もしくは欲求不満を感じているのかもしれません。もしくは、小さい時の癖がそのまま残ってしまっているということも考えられます。

ご相談を拝見していると、家ではすらすら鬼の絵を描くのに対し、園では友達の描いているのを見て描くと描き方が違っていますね。これは、「上手に描きたいけど、僕は描けるかな。友達はどんな絵を描くのかなあ。」という不安から起こるものです。

この時期は、友達の真似や先生の真似などを通し、学ぶことが多いので、心配はないのですが、心情を察すると不安があるのでしょう。また、友達とも遊びたい…でも、勇気がない…それを指吸いという形で自分を紛らわすということもあります。

さて、解消法ですが、止めさせようと、いつも気にして声をかけすぎていると、逆効果を招いてしまいます。小言を言わないほうがよいでしょう。否定的な言葉ばかり言うのではなく、反対に、たくさんコミュニケーションを取り、抱っこをしてあげてください。

「お母さんは、いつもそばにいるよ…大好きだよ…」と。お母さんの心配な気持ちというのは、必ずお子さんに伝わってしまいますよ。お母さんが堂々と落ちついて、愛情をたっぷり注いでいくこと…これが、不安をなくす一番の近道かもしれません。

また、お子さんが指吸いをしてしまった時は、何気なく手をつないだり、話しかけたりして、間接的にその回数を減らしていきましょう。

「指をいつまでも吸っていたらいけません!」と怒るのではなく、「○○ちゃん、お母さんのお手伝いしてくれないかしら?こっちへ来てくれる?」などと、働きかけ、自然に口に入っている指をはずす方法を考えていったら、いかがでしょうか。

斉藤孝子

斉藤孝子

1963年生まれ。日本ベビーコーチング協会理事。1990年から1992年の2年間、衛星チャンネルで公開授業を放映。各種雑誌での執筆の傍ら、幼稚園などの研修や教材開発を手がける。かぞくの雑誌「きらら」、シングルエイジ教育誌に連載中。「幼児は表現の天才」(アドア出版)「母と子と先生と」(創教出版)「生き方の原理原則を教える道徳教育」(明治図書)などにも執筆。2児の母。