「宿題したの?」と聞くと、子どもはもっと宿題をしなくなる

水野達朗
2023.04.04 17:43 2023.04.04 17:43

なぜ宿題をしないのか

教材

なぜしないのか。理由は二点です。

勉強の優先順位が遊びよりも低いこと。そして、親子の信頼関係です。まず、勉強の優先順位が遊びよりも低いのは、当たり前のことです。

まだまだ子どもですので勉強の重要性を認識する経験が年齢的に乏しいのです。ですので、いまはいやいややらせて勉強ぎらいにさせるよりも、子どもに任せて勉強をしなかった不利益(先生に叱られる・学校で恥をかく・勉強がわからなくてあせる等)を経験させてあげましょう。

最初はいやいやながらも勉強をするような変化が見えてきて、勉強に楽しみを見出す経験をしていくことで将来的には主体的な学びに向かう人間に成長するかもしれません。

勉強ぎらいの子が急に主体的に勉強をする子になる事例はまれです。

ですので、最初は負の外発的動機づけを経験させながらも宿題等の課題に向き合わせ、それを終わらせた達成感を感じさせるところから始めることを考えましょう。いきなり二段、三段飛ばしを求めるのは子育てではしんどいですよ。

次に信頼関係についてですが、子どもは信頼していない相手からの言葉は右から左へ流します。親を信頼していないというよりは「勉強の話をする時の親は信頼しない」というニュアンスです。なぜそうなるのか。

たとえば、先ほど例にあげた「宿題は?」という確認。

これも子どもからすれば「宿題は? どうせあんたのことだからしてないんでしょ」と聞こえます。「さっさと先に終わらせなさい! どうせあなたは好きなことばかり先にして最終的にはウソをついたりしてやらないんだから。バカなあなたにお母さんが先にいっておいてあげるわ」と聞こえます。

そんなことをいってくる人とは信頼関係はつくれないというのが子どもの本音。本当に信じていたら宿題に関しては基本的には「何もいわずに子どもに任せる」となるわけです。

信頼関係の基本は押し付けないことです。つまり動きはじめるまで待つこと。そして例にあげたNGワードを避けること。まずはここから始めてみましょう。

子どもには、どんどん失敗させなさい

子どもには、どんどん失敗させなさい(PHP研究所)
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