男の子が「学歴社会」で幸せになるために、親がすべきこと
子どもは自分の人生の延長コードではない
しかし、息子が中2のとき、私は死を覚悟するほどの大病をわずらうことに。
そのときに、はっきりとわかったのです。
「ああ、勉強なんてできなくてもいい。人よりも有利な人生なんて歩まなくてもいい。ただ、この子が幸せで健康に生きてくれさえしたら」と。
さらには、息子にこれまで勉強しなさいと言ってきたのは、息子のためではなく、自分のためだったのかもしれないと思い始めました。
自分が安心して、満足するために。また、みんなに誇れるような息子にするために。
まったく浅はかなことでした。
でも、ときとして親は、自分が成し遂げられなかったことを、自分の子どもをってやり遂げようとします。
まるで子どもを自分の人生の延長コードのように感じているわけです。
しかし、私の場合は自分が死ぬかもしれない段階になって初めて、自分が本当に望んでいることがわかりました。それからは、勉強しろと言うかわりに、「自分の人生を精いっぱい、悔いなく生きなさい」と言うようになりました。 そして、病気を克服してからの私は、私自身の人生を悔いなく生きるために猛勉強を始めました。
すると、面白いことに、息子は自ら将来の職業を決め、高校を選び、高校生活をエンジョイしたうえで、予定どおり2浪して猛勉強し、自分の夢を叶えられる大学へと進学したのです。
子どもは親の期待に応えようとする
あなたが自分の親から期待されていた職業や生き方はどんなものでしょう? 親がはっきりと「医者になれ」「教師になれ」と言っていたかもしれないし、何も言わずとも、「親はきっと公務員になってほしいと思っているんだ」「親は自分の跡を継いでもらいたがっている」などとわかっていたかもしれません。
もしくは、「うちの親は自分のことばかりで、子どもの人生のことなんて関心がない」と感じている人もいるでしょう。
いずれにしても、あなたが感じていたものは、きっと当たっているはずです。 子どもは、親の気持ちや期待を察するものです。
そして、知らず知らずのうちに親の期待に応えようとします。
親が子ども時代に受けた心の傷を癒す
もしも、あなたが今、親が期待した職業や生き方ではなく、別の人生を歩んでいたら、知らず知らずのうちに自分の子どもにその生き方を選ばせようとしているかもしれません。
頭では、「そんなことはない。子どもに勉強させて東大に入れるのは、子どものためだ」と思っていたとしても、心の奥深くでは、子ども時代のあなた、つまりインナーチャイルドが「自分はダメだったけど、自分の分身であるこの子ならばできるはずだ」と思っているかもしれません。
すると、あなたの親と同じように、あるいは別の方法を使って、子どもにどんな人生を送るべきかを教えているはずです。
心当たりがあるようなら、目を閉じて、あなたの心の中のインナーチャイルドに伝えてください。
「あなたは大丈夫だよ。ちゃんと生きていける。大人になって、自分のやりたいことを自分で決めて、自分の責任で幸せになれる人だよ。それが何かの仕事であっても、親になることであっても、自由に生き方を選び、それを子どもに伝えることができるようになるよ。ずっと苦しかったね。でも、たった今からあなたは自由だよ。あなたが幸せになることが一番大切なことなんだよ」
そうすれば、きっとあなたの子どもに対する心のもち様も変わってくることでしょう。
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