6年生で成績が伸び悩み…「中学受験の算数」につまづいた時に親がすべき判断

州崎真弘

受験算数は、一気に回す学び方のほうがいい

とりわけ出題範囲が広く、難易度の幅が大きな受験算数の場合は、特に「コツコツ勉強」には向きません。

高学年になってから受験勉強を本格的に始めるお子さんであれば、1つずつ例題やテーマを潰していく勉強方法ではなく、重要度や頻出度が高いものに絞って、単元をできるだけ早く1周させることに重点を置きましょう。

なお絞った分野は、じっくり丁寧にやるように。ちなみにそのセレクトは、お子さんの状況をよく知ってくれている先生にお願いすることをお勧めします。

なお、「基本問題をまずはちゃんとやろう」という考え方はNGです。これでは、いつまでたっても受験問題を解くレベルに到達しません。残された時間を逆算して、今はここを○○までに勉強しておいてください」と指示を出してもらえると理想的です。

6年生になっても伸び悩んでいたら

また、6年生になって、算数の成績が伸び悩んで不安を感じていたら、授業を減らすか、思い切って受講をやめてみましょう。一旦やめる理由はいくつかあります。

1つ目は、残された時間を考えれば、必要な単元を合格に足るレベルまで絞って学習する時間ができるから。

2つ目は、今までのやり方で成績が伸びないのであれば、思い切って別のやり方(個別指導など)に変えるほうが伸びる可能性があるから。

調子の上がらない方法をやめ、別のやり方で取り組んだほうが成績が上がる可能性が高いはずです。これは、長年の指導経験からも断言できます。

なお、6年生から途中入塾した生徒でも、見事難関校に合格していくことがあります。こうした生徒たちもカリキュラム通りに学習できているわけではありません。なんと時間をやりくりして、解くべき問題を選びながら力をつけていきます。

学習分野を絞って一気に回す利点は、重要度の高い単元を一通り早いサイクルで潰せることです。荒っぽいやり方なので抜けもありますが、大きなメリットとしては、まず不安が軽くなることです。

さらには、どの単元が自分にとって苦手なのかがわかり、かけるべき時間の目処が立つため、学習予定を立てやすくなるというメリットもあります。

このように、まずは1周グルッと学習して全体像をつかんでから、過去問を解くことで、重点的に勉強するところはどこなのか明確になります。また、受けなくてもいい授業や演習もカットできるので、より時間を有効に使うことができるようになります。

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