子どもの反抗的な態度にどう接する? 最も効果的な「イライラの受け流し方」

竹内エリカ
2024.04.02 14:58 2024.04.04 07:00

母親と男の子

イヤイヤ期や反抗的な子どもの態度に頭を抱えている親御さんは多いでしょう。叱ることでさらに反抗され、事態が悪化するケースも珍しくありません。親子ともにストレスをためないために、効果的な対応とは? 一般財団法人日本キッズコーチング協会理事長の竹内エリカさんが心理学に基づいた方法を教えます。

※本稿は、 竹内エリカ著『心理学に基づいた 0歳から12歳 やる気のない子が一気に変わる「すごい一言」』(KADOKAWA)から、一部抜粋・編集したものです。

子どもの反抗に困ったとき

泣く子ども

× イヤじゃないの! 我慢しなさい
〇 イヤなのね。少しだけ頑張ろう



・感情を受け止め、行動を正す
2歳くらいの子どものイヤイヤ期。何に対しても「イヤ!」と言うものですから、親としても「イヤじゃないでしょ」と負けてはいられません。けれども、子どもはさらに泣き叫び「ヤダヤダヤダ〜!」とひっくり返って抵抗し、結果、親子ともに消耗しきってしまうということもあるでしょう。

そんな子どものイヤイヤ期には「感情を受け止め、行動を正す」ということを意識してください。

心理学で「レジリエンス」という考え方があります。レジリエンスとは、「逆境や困難から立ち直る力」のことで、「心のしなやかさ」と訳されることもあります。子どもの「イヤイヤ」や反抗・抵抗といったストレスに真正面から立ち向かうのではなく、ストレスをふわっと受け流すのです。

男の子

「馬の耳に念仏」ということわざがありますね。馬にありがたい念仏を聞かせても無駄である。そこから転じて、いくら意見しても全く効き目のないことの例えに使われます。いくら反抗しても効き目はないと子どもが思うように、親御さんが軽くかわすための方法が「感情を受け止め、行動を正す」という姿勢です。

子どもが「イヤ!」と言ったら、「イヤじゃないの!」と言い返さず、「イヤなのね」と気持ちをさらっと受け止めてください。否定されると反抗したくなる心理が生じます。一旦受け止めることで、反抗心が低くなるのです。

そして行動だけを正してください。「ごはんを食べたくないのね」「わかったわ」「一口だけ食べましょう」といった具合です。

ここでポイントなのが、まず、感情は受け止めますが行動はしっかりと正すこと。多少譲歩してもかまいませんが、一貫性を持たせることが重要です。そして、イライラしても、重く受け止めすぎないことも大切です。さらっと軽く受け流してみてくださいね。

ソファーに突っ伏す女の子

0〜2歳への声かけ

イヤイヤ期で注意したいのが、「感情を否定して行動を受け入れる」こと。子どもが「イヤ」と言うと、「イヤじゃないの」と感情を否定してしまい、そのあとあまりに子どもがイヤイヤ言うものだから「仕方ないわね。今日だけよ」と行動を受け入れてしまうのです。

そうではなく、「イヤだったのね」「かなしいのね」「悔しいのね」と感情を受け止めてから、「でも頑張りましょう」と行動を正してあげてください。

3〜6歳への声かけ

このくらいの年齢でも、イヤイヤ期のようなものがあります。ただし、言葉を使う力が身についているので、「ママ嫌い」「あっち行って」など親を傷つける言葉を使うことがあります。

「ママに対してその言葉は何よ」と反応したくなりますが、それで3〜6歳への声かけは子どもの思うツボ。「これは効き目のある言葉なんだ」と思い、繰り返すようになります。

こんなときは「そんなこと言われたらさみしいわ」と、さらっと受け止めながら、それはひどい言葉だということは伝え、「それじゃあこうしましょうね」と本題に入ってしっかり指導しましょう。子どもの攻撃には乗らないことです。

7〜12歳への声かけ

学校から帰ってきたあと、「遊びに行くのは宿題を終わらせてから」と決めているご家庭もありますね。しかし、実際子どもは宿題をほったらかして遊びに行こうとします。

そこで「宿題やったの?」と聞いても「あとでやる。今はやりたくない」と言ったりします。親としては「宿題をやってから行く約束でしょ」と言いたくなりますが、子どもが「はい、わかりました」と言うはずがないですね。

そんなときは「そうなの、やりたくないのね。じゃあいつやるの?」と聞いてみましょう。さらりと流しつつ、やりたくないという感情ではなく、行動に焦点を当ててみてください。

竹内エリカ

竹内エリカ

幼児教育者。淑徳短期大学非常勤講師。お茶の水女子大学大学院人文科学研究科修士課程修了。20年にわたり、子どもの心理、教育、育成について研究。2児の母。