心理学から考える「勉強のモチベーションが低い子」を変える親の態度

竹内エリカ
2024.04.02 15:14 2024.04.15 12:00

勉強する親子

なかなか宿題をしなかったり、テストの点数が悪かったり…他の子と比べて、つい怒ってしまうという親御さんは多いのではないでしょうか。しかし、やみくもに叱っても逆効果になってしまいます。心理学に基づいた「やる気のない子どもを変える」声掛けを、一般財団法人日本キッズコーチング協会理事長の竹内エリカさんが解説します。

※本稿は、 竹内エリカ著『心理学に基づいた 0歳から12歳 やる気のない子が一気に変わる「すごい一言」』(KADOKAWA)から、一部抜粋・編集したものです。

宿題をやってほしいとき

頭を抱える女の子

× 早く宿題やっちゃいなさい
〇 宿題をやる間に私も家計簿つけちゃお!


・子どもの「やる気スイッチ」の押し方
鍵となるのが「エンドルフィン」という幸せホルモン。やる気のもととなるホルモンはドーパミンです。この2つのホルモンが分泌されたとき、ドーパミンだけが分泌されたときに比べて、やる気が何倍にも跳ね上がります。

それでは、エンドルフィンはどんなときに出るホルモンなのでしょうか。

まず、子どものやる気の上がり方には3つのステップがあります。はじめのステップは、自分の「やりたい」「好き」という気持ち(自分のため)。次のステップは、達成感や「褒められたい」という気持ち(報酬のため)。そして3つめのステップが、共感や「人と一緒にいて楽しい」という気持ち(人のため)。

ドーパミンが分泌されるのは、2つめのステップまで。3つめのステップの”人との関わり”という条件が加わったとき、初めてエンドルフィンが分泌されます。そして、やる気は一気に何倍にも高まるのです。

子どもを叱る親

0〜2歳への声かけ

ハイハイができた、たっちができた、歩きはじめたなど、できるようになることが多い頃。親が「できたね」と喜んであげることで、子どものやる気もアップします。どんな小さなことでも、「できた」を見つけて一緒に喜んであげましょう。

3〜6歳への声かけ

子どもがひとりで遊んでいるときに「ママも一緒にやろう」と誘ってきたりしますね。そういうときはぜひ「じゃあ、ママと一緒にこのぬり絵を完成させようか」と一緒に遊んであげてください。

達成感を共有することもやる気につながります。つきっきりで遊んであげるのは難しいかもしれませんが、たとえば1日10分と時間を決めるなどして、その間は全力で向き合ってあげるのがいいですね。

7〜12歳への声かけ

勉強についても、「自分のためにやる」より「友達と一緒にやる」などのモチベーションがあった方が、さらにやる気に火がつきます。

「あなたが宿題をやる間に私もお仕事やっつけちゃうわ」のように同じ空間で一緒に作業をしたり、「どっちが早く終わらせられるか競争だ」のようにしたりすると、子どもは一生懸命宿題をしてくれるでしょう。

また、エンドルフィンは、運動することでも分泌されます。その場でジャンプをさせたりするとやる気が倍増するので、子どもが勉強に集中できないというときは試してみてください。

竹内エリカ

竹内エリカ

幼児教育者。淑徳短期大学非常勤講師。お茶の水女子大学大学院人文科学研究科修士課程修了。20年にわたり、子どもの心理、教育、育成について研究。2児の母。『明るい子どもが育つ 0歳から6歳までの魔法の言葉』(中経出版)他著書多数。