「ノート食べて飢えを凌いだ」小4を襲った壮絶なイジメと貧困(リュウくん第1話)

おがたちえ,橋本紋加,徳永竜備

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学校でのイジメ、不在がちの両親、食べるものにも困る貧しい生活……リュウくんの少年時代は、世の中の”普通”とはかけ離れた、想像を絶する過酷なものでした。

漫画家のおがたちえさんが、元不登校の徳永竜備さんを取材。臨床心理士の橋本紋加さんによる解説とともに、体験談を連載漫画でお届けします。(毎週水曜更新)

リュウくんの場合 第1話

リュウくんのコメント
貧困のため満足に食事ができず、お小遣いやお年玉をもらうこともなかったので、幼少期はただひたすら周りの家庭環境を羨む日々が続いていました。親戚や他の家庭と交わる機会も全くなかったため、「家庭」と「学校」の生活のみが自分のすべてでした。

両環境のストレスが原因で、小学6年生の発育測定の結果は、県平均と比較して、身長がマイナス15cm、体重がマイナス10kgという数値になりました。

臨床心理士・橋本紋加先生のコメント
学校だけでなく、家でも居場所がないというのは辛い体験でしたね。家庭の貧困は孤立の大きな要因の一つだったように思います。頼れる人や安心できる場所がない状態では、何をやってもうまくいかない・なんで自分だけ、などネガティブな思考に偏っても当然です。そんな時は「ネガティブになったらダメだよ!」と否定せず、「そういう気持ちになるほど辛いんだね」と寄り添う言葉をかけてくれる人がいるとよかったのですが、リュウくんの場合、それは難しい環境でした。

本来なら周りの大人が気づいて学校カウンセラーや医療機関につなげるべき事案でしょう。子どもひとりで解決するのは難しい社会的な問題が潜んでいるといえます。