子どもの「かまって」攻撃にイライラ! アドラー流の親の上手な対処法
子どもは基本、こちらの状況はお構いなし。忙しい時に「遊んで!」とせがんでくると、ついイライラしてしまいますよね。あまりのしつこさに、つい子どもの言う事を聞いてしまう事もあるのではないでしょうか。
でもこの対応、実は子どもにとって悪影響かもしれません。
子どもの「かまって」への上手な対処法を、アドラー心理学カウンセリング指導者の岩井俊憲さんが解説します。
※本稿は、 岩井俊憲著、藤井昌子イラスト 『マンガでよくわかる アドラー流子育て【新版】』(かんき出版)から一部抜粋・編集したものです。
子どもの「かまってかまって」がおさまらない!
こんなふうに、子どもからしつこくねだられて、相手をしてしまうことはありませんか?
これをしてしまうと、子どもは延々、「かまって行動」を繰り返すようになってしまいます。
相手をしてしまうと、そのときはラクですが、これがずっと続くと思うと、どうでしょう…?
では、本当はどのように対応すればよいのでしょうか?
こう対応してみて!
「かまって」を無視したらどうなる?
親から子への「正の注目」と「負の注目」
親が子どもに対して示す関心は「正の注目」と「負の注目」に分けられます。
それぞれについて、詳しく解説しましょう。
■正の注目
子どもの行動に対して「よかったね」「助かったわ」とほめ言葉やごほうびを与えたり、勇気づけて関心を示すこと。
子どもは自分の要求(目的)を通してもらったと思い、満足感を得られる。
■負の注目
「何度言えばわかるの!?」「ちゃんとしなさい!」と禁止・命令をしたり、叱ったり罰を与えて支配しようとする親の態度のこと。
子どもは不快に感じるものの、親に関心を示してもらったと感じる
■無視
子どもの行動に対して、正の注目も負の注目もせず、反応しないでいること。
子どもは、自分の存在自体を否定された気持ちになる。
無視されるよりは、負の注目をされたほうがいいと思い、わざと不適切な行動を起こすことも。
無視することはもっとも残酷な仕打ちにあたる。
かまってほしい子どもの心理は?
子どもの行動の目的は、多くの場合、親の注目を引くことにあります。「親にほめられたい」「認めてもらいたい」「わかってもらいたい」「愛されたい」「信じてもらいたい」という思いで行動するのです。
でも、結果として、正の注目ばかり得られるわけではありません。そして、親から正の注目を得られなかった子どもは、今度は泣きわめいたり、暴れたり、物を壊したり、すねたり…といった行動で、親から負の注目を得ようとするのです。
子どもは、無視されるよりは、負の注目をされてでも、親の注目・関心を引きたいのです。不適切な行動を繰り返す子どもは、こんなことを考えています。
「いくらいいこと(適切な行動)をしても、親は認めて(正の注目)くれない。ボクはいつも無視されている。だから悪いことをして、せめてかまってもらおう(負の注目)」
子どもは決してはじめから親を困らせたいわけではなく、親の関心を引きたくて必死なのです。それを考えると、少しやさしい気持ちになれませんか?
ぜひ、子どもの適切な行動に、正の注目を与えていきたいものですね。
マンガでよくわかる アドラー流子育て(かんき出版)
感情的に怒鳴ったり、叱ったりすることなく、子育てができていますか?
「言うことを聞かない」「約束を守らない」「ビックリするような行動をとる」 ……など、子育ては、思いどおりにいかないことの連続ですよね。
そんなときに、とても役立つ教えがあります。 それが、アドラー心理学をベースにした子育て法です。
本書は、岩井氏が主宰するヒューマンギルドで大人気の「SMILE講座」をベースにした、アドラー流子育て法をわかりやすく、実践しやすくまとめたマンガです。