破水かどうかわからない…判断に迷ったらすぐに病院へ!
お股から水が流れてきたけど、破水かどうかわからない……そんな時は、とりあえず病院に連絡するのがベストです。
尿漏れか破水かの判断は、医師でも判断が難しいそう。破水かも?と思ったときの対処法を、産婦人科医の遠藤周一郎先生の著書『はじめてでもよくわかる 知っておきたい妊娠と出産安心BOOK』より抜粋してご紹介します。
※本記事は、遠藤周一郎著『はじめてでもよくわかる 知っておきたい妊娠と出産安心BOOK』(KADOKAWA)より、一部を抜粋編集したものです。
尿漏れと破水の区別がつきません
「お股から水が流れ出てきたみたいなんですけど……。でも尿漏れかもしれません」。こんな連絡、よくあります。そんな時は「とりあえず病院に来てください」とお話しします。妊婦さんのなかには「尿漏れと破水、間違えたら先生や看護師さんに笑われちゃいそう……」と心配している人がいるかもしれませんが、大丈夫! 笑いませんよ。事実、尿漏れと破水の区別は、専門家でも非常に困難なんです。もしも破水だった時には大変ですからね。
破水といえば、ドラマとかで見るような、バシャッと音がして床がビシャビシャに濡れるというシーンを想像しがちかもしれません。もちろんあれだけわかりやすい破水なら、尿漏れと間違えることは、まずないと思いますが、破水の仕方はいろいろ。最初は、尿漏れのようにチョロチョロしたものだったり、赤ちゃんの袋の一部に小さい穴が開いて羊水が流出する高位破水というケースも。そのため、尿漏れか破水かよくわからない時は、きちんと診察して破水のチェックをします。
破水の確認は、腟内が羊水によってアルカリ性になっているのを確認する方法や、羊水中の成分を検出する方法を使いますが、それでも結果が曖昧でわからないことがあり、破水の診断は本当に難しいものです。だから家でセルフチェックはできません(残念ながら)。
なぜ私たち産科医が破水についてこれだけナーバスになっているのかというと、羊水が減ることで赤ちゃんが子宮の収縮の影響を受けやすくなりストレスがかかってしまったり、腟からバイ菌が入りやすくなってしまうからです。赤ちゃんにとってバイ菌感染は、非常にマズイ事態なので神経質にならざるを得ません。破水ではないと自己判断して、何日も経って病院に来たら、すでに赤ちゃんの状態が悪く、緊急帝王切開! なんて例も実際に、年に数回はあります。
しつこいようですが、なんかあやしい水が流れたら、自己判断せずにとりあえず病院へ連絡してくださいね!
【遠藤先生の伝えたいこと】
・破水と尿漏れの区別は非常に困難
・あやしいなと思ったら必ず病院に連絡を
『はじめてでもよくわかる 知っておきたい妊娠と出産安心BOOK』(遠藤周一郎著,KADOKAWA)
妊娠・出産の疑問をどこよりもわかりやすく、丁寧に解説!
はじめての妊娠出産の疑問&不安を解決! 現役産婦人科医によるどこよりも丁寧な妊娠&出産ガイド!
マタニティ期を安心して過ごせるような話から、「胎児の体重って実はいい加減!?」「逆子が戻らない確率はたったの5%」など、妊婦健診ではなかなか聞きたくても聞けない話からお医者さん側の本音までを、妊娠初期・中期・後期・産後にわけてたっぷりと収録。気になる無痛(和痛)分娩の話や高齢出産について、卵子凍結の話などの最新情報もカバー。
ママとベビーにとって大切な妊娠期~産後を、より安全に、より楽しむための1冊です。ぜひ男性に読んでほしい、パパ向けの内容も収録。