はじめて赤ちゃんを出産する前に「夫婦で決めておくべき6つのこと」

ファザーリングジャパン
2023.09.25 15:21 2023.10.03 11:40

夫婦の会話

赤ちゃんを迎えるにあたって、決めておくべき事柄はたくさんあります。病院選びや出産方法、子育てのビジョンなど…考えなければいけないことは山積みなのです。夫婦二人で出産前に話し合っておくべき6つのことをファザーリングジャパンが解説します。

※本稿は、ファザーリングジャパン著『家族を笑顔にする パパ入門ガイド』(池田書店)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

ファザーリングジャパン
「父親であることを楽しもう=Fathering(ファザーリング)」と思うパパたちを増やし、子育てを支援するため、2006年に設立。全国で年間1000回を超えるパパ講座・イクボス講座、セミナー、イベントなどを実施している。「働き方改革」を推奨する企業や行政と連携した取り組みも多い。支部団体を有し、会員数は400名を超える(2017年12月現在)。

わが家の子育てプロジェクトリーダーはあなた!

抱っこされる子ども

妊娠中のママは、おなかの赤ちゃんのこと、変化していく自分の体、出産のことで頭がいっぱいです。妊娠中から産後の赤ちゃんとの生活がイメージできるといいのですが、なかなかそれが難しいものです。

そこで、パパにお願いしたいのが、「赤ちゃんとの暮らし」のプロジェクトリーダーです。妊娠、出産、子育ては、人生の一大プロジェクトです。いつもみなさんが仕事で行っているように、家庭の現状分析、課題の洗い出し、課題解決、ゴールまでの計画づくりをやってみましょう。

出産前に話し合うべき6つのこと

会話する夫婦と子ども

ママの妊娠中、特に二人で話し合っておきたいことは次の5つです。

1.病院選びと、里帰り出産かマイタウン出産か
出産方法、病院の設備、担当医との相性、自宅からの距離などを検討し、選ぶといいでしょう。里帰り出産をする場合は、健診で通っている病院と里帰り先の病院の2カ所を選ぶ必要があります。ママの希望と、次に挙げる産後のサポート体制のことも考えて選びましょう。

【マイタウン出産と里帰り出産の違い】
①マイタウン出産

メリット
・夫婦で、子育ての一番大変な時期を一緒に乗り越えることができる
・生活の場所が変わらない
・病院が変わらない
デメリット
・陣痛がきたときにママが一人のことも
・産後のサポートをするパパの負担が増える
・ママの日中の会話が減る

②里帰り出産
メリット
・産前、産後のサポートが充実
・ママは育児、パパは仕事に専念できる
・ママの日中の会話が増える(赤ちゃんにもよい)
デメリット
・パパとママ、赤ちゃんとの時間が減少
・産前、産後の一番大変なときをパパが知らない
・病院が変わる可能性大

赤ちゃんをあやすパパ
2.産後のサポート体制
出産によってママの体は大きなダメージを負い、妊娠前の状態に戻るまでに約2カ月かかるといわれています。退院した後、ママは体のケアと慣れない赤ちゃんの世話で手一杯なため、家事のサポートが必要です。

祖父母にお願いするのか、アウトソーシングするのか、パパが育休を取得して家事を行うのか、事前に決めておきましょう。

3.仕事
ママが仕事をしている場合は、仕事を続けたいのか、辞めたいのか、ママの希望を聞き、話し合いましょう。仕事を継続する場合は、夫婦で育児休暇の取得時期と期間、復帰の時期、保育園のことも考えておく必要があります。退職する場合は、出産手当金(退職後半年以内の出産であれば支払われる)のことも頭に入れて退職時期を検討するのがよいでしょう。

赤ちゃん
4.子育てビジョンの共有
どんな子育てをしたいのか、どんな家庭をつくっていきたいのか、パパとママそれぞれの考えを話して、お互いのビジョンを共有しましょう。

5.わが家の生活のリズム
妊娠中こそ、毎日の生活のリズムを見直すチャンス。子どもが生まれてからも続けられる、規則正しい生活習慣を妊娠中からつくっておきましょう。

6.いざというときのこと
妊娠、出産は、100%安全ではありません。流産、早産、死産、おなかの赤ちゃんに病気が見つかる可能性も考えておきましょう。

朝ごはんで家族の体調管理

妊娠中に一番夫婦で話をしておいてほしいのが、「わが家の生活リズム」についてです。

一般的には、妊娠中の暮らしから一日の流れをイメージすることが多いと思いますが、小学生の生活リズムを参考に考えるのがおすすめ。例えば、小学生の登校時間を8時、朝ご飯を7時とイメージしたのであれば、明日からの朝食も7時、産後の朝食も7時にし、できれば、家族一緒に食べましょう。

親を見上げる子ども
なぜなら、朝の顔合わせと食事は、家族の体調管理にとても役立つからです。いつも起きていたのに起きられない、よく食べていたのに、食事が進まない、食べないことが増えたなど、朝ごはんには不調のサインが表れやすいです。産後のママの、10人に1人がなるといわれている産後うつの早期発見にも役立ちます。

大人の生活リズムに赤ちゃんを迎え入れる

退院、または里帰りからママと赤ちゃんが帰ってきたら、妊娠中につくった生活のリズムに、赤ちゃんを迎え入れます。くれぐれも、赤ちゃんのペースに振り回されすぎないようにしてください。赤ちゃんは、親の生活リズムなどから、自分の生活のリズムや朝夜の区別がつくようになってきます。

家族の笑顔は、家族の健康から。プロジェクトリーダーの腕の見せどころ。ただし、妊娠中からどんなに話し合っていてもうまくいかないのが産後です。産後の女性は、攻撃的になったり情緒不安定になったりします。妊娠中につくった生活習慣は崩さず、育児に関しては、産後しばらくの間、ママのやり方に合わせるのがよいでしょう。

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家族を笑顔にする パパ入門ガイド(池田書店)
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