5歳の子には12時間の睡眠が必要? 子どもの成長に影響する「睡眠と遊びの密接な関係」
世界の中でも睡眠時間が短いと言われる日本。経済協力開発機構(OECD)の調査では、日本人の平均睡眠時間は7時間22分と、加盟国30カ国の中で最も短い結果が出ています。
大人の睡眠時間が短いのは子どもにも影響するのでしょうか? 子どもと睡眠の関係について『自分で決められる子になる育て方ベスト』(サンマーク出版)著者で医師の柳澤綾子先生にお話を聞きました。(聞き手・文/一般社団法人Raise)
幼児の22時以降の就寝は「遅寝」
日本では大人の睡眠時間が短いのと同様に、子どもの睡眠時間についても短い傾向が出ています。9歳から8歳を対象とした調査でも、平日の睡眠時間が他の先進国の子どもたちにくらべて少ないことが分かりました。
子どものころの睡眠は体の成長に欠かせないものなのですが、国内の研究によると、睡眠時間の短さはすでに幼児のころから始まっていることが分かってきました。
国内の幼稚園児428人を対象に行なったある調査によると、22時以降に就寝する幼児が全体の25%もいたのです。
国内の幼稚園児428人を対象に行なった調査によると、22時以降に就寝する幼児が全体の25%もいることが分かりました。
「遅寝」の子たちは必然的に睡眠時間が短くなってしまいます。睡眠が十分に取れていないと、日中の眠気や疲労感に繋がりますし、食欲不振や集中力の低下などが見られることも過去の研究では報告されています。
ではいったい子どもが健康に過ごすために必要な睡眠時間は何時間くらいなのでしょうか?これについては厚生労働省が推奨時間を出しています。