子どもの集中力が続かないのは朝食に原因が? 医師が指摘する「NG朝ご飯」

梶尚志
2025.06.30 10:22 2025.06.30 12:00

食事をする2人の小学生の男の子

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「朝ごはん、ちゃんと食べなさい!」そんな声がけを、気がつけば日課のようにしていませんか? どんな朝ごはんを食べるかによって、子どもの集中力や気分、さらにはお腹の調子にまで影響が出ると話す医師の梶尚志さん。そんな梶さんが子どもの元気とやる気を育てる「朝ごはんのチカラ」を教えます。

学力と朝食には密接な関係が? 朝食抜きのリスクとは?

遠くを見る小学生の男の子

最近、小学生や中学生でも「朝は食欲がなくて、何も食べていない」という声を聞くようになりました。特に当院では、学校に行けない、いわゆる不登校のお子さんたちから、そうした声が多く聞かれます。

夜更かしやスマホの使用による就寝時間の遅れ、さらに、夜にスナック菓子などを食べながら過ごすことで、朝はギリギリまで寝てしまい、起きてもお腹がすかない、そんな生活リズムの子ども達が増えているのです。

実は、朝ごはんを抜くと、体はエネルギー切れの状態で一日をスタートすることになります。脳にもエネルギーが十分に届かず、学校でも午前中、ずっとぼんやりしてしまいがちです。子どもたちの学力低下や集中力の欠如には、朝食の欠食が関係しているという研究報告もあります。

さらに、朝ごはんを食べないことで午前中のエネルギーが不足し、疲労感が増したり、イライラが募ったりしやすくなります。登校後に機嫌が悪かったり、すぐに「疲れた」「だるい」と言ってくる子どもには、朝ごはんの見直しが必要かもしれません。

一方、朝食をとることで内臓のスイッチが入り、代謝も高まります。これは1日の体温維持や免疫力の維持にもつながります。体が温まり、1日を元気に動けるようになるのです。

NG朝ごはん、やっていませんか?

ごはんを食べる女の子

バタバタの朝は、「とりあえず何か口に入れればいい」と、朝ごはんをおざなりにしていませんか?実は、朝ごはんの「中身」が、その日のパフォーマンスや気分に、とても重要なのです。

やりがちなNG朝ごはん

梶尚志

梶尚志

梶の木内科医院院長、栄養療法実践医。1989年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業。2000年 岐阜県可児市に梶の木内科医院開設。年間約5万人の患者を診察する中で、通常の診察では解決できない不調が多いことに危機感を感じ、改善策を模索。分子整合栄養医学との出会いをきっかけに、不調の原因が栄養状態にあることを確信する。以来、栄養学的なアプローチから治療と生活指導を行い、不調の改善に取り組んでいる