「おもしろかった」を卒業!感想文が苦手な子の言いかえ辞典

青木伸生 (監修),粟生こずえ (著)
2025.08.08 17:32 2025.08.18 11:50

鉛筆と白いノート

本を読んだ感想を作文にしようとしても、「おもしろかった」以外の言葉が浮かんでこない・・・。
そんな感想文が苦手な子のために、自分の気持ちがぐんと伝わる、「言いかえのヒント」を、『必ず書ける あなうめ読書感想文 改訂版』より紹介します。

表現がふえると、感想文がぐんと魅力的に!ぜひお子さんへのアドバイスにご活用ください。

※本稿は青木伸生 (監修),粟生こずえ (著)『必ず書ける あなうめ読書感想文 改訂版』(Gakken)より一部抜粋・編集したものです。

すぐに使える言いかえじてん

読書感想文でついつい使ってしまう「おもしろかった。」「〜と思った。」などの表現を、いろいろな言葉で言いかえてみましょう。読書感想文がさらによくなります。

「おもしろかった。」

本を読む小学生

いろいろな言葉で、「おもしろかった。」を言いかえてみましょう。

【きほんの表現】
・おもしろい本でした。
・ゆかいな本でした。
・楽しいお話でした。
・とても楽しく読めました。

【どれくらいおもしろかったかを表す】
・さいしょから最後まで、一気に読んでしまいました。
・ 読み終えてしまうのがもったいないように思ったほどです。
・大すきなテレビ番組を見るのもわすれて、読みふけってしまいました。

【読みながらわらったことを表す】
・おなかをかかえてわらってしまいました。
・ 読みながら
→ ゲラゲラとわらい転げました。
→ プっとふき出しました。
→ にやりとしてしまいました。

【心の中でつぶやいたことを表す】
・「最高だ。」思わず、そうつぶやいた。
・「こんなことぼくもやってみたい。」そんな思いがうかびました。

【読み終えた後の気持ちは?】
・すぐにだれかに教えてあげたいと思いました。
・ 一日中、うきうきした気分でした。

「はらが立った。」

頭を抱える男の子

「はらが立った。」ということをいろいろな書き方で表してみましょう。

【きほんの表現】
・はらが立ちました。
・はら立たしい思いでした

【読んでいるときの自分の様子を表す】
・いかりがこみ上げてきました。
・はらわたがにえくり返るような気分でした。
・いらだちがおさえられませんでした。

【動作で表す】
・本を持つ手に力が入ってしまいました。
・ 机をにぎりこぶしでたたいてしまったほどです。
・ 大声でさけびたくなる気持ちを深呼吸しておさえるのがやっとでした。

【音や様子で表す】
・体の中からいかりがふつふつとわいてきました。
・ あまりのいかりに、わなわなと体がふるえました。
・ かっとして、頭に血が上りました。

【心の中のさけびとして表す】
・わたしは心の中でさけびました。
→「そんなばかな。」
→「ひどい、ひどすぎる。」
→「ゆるせない。」
→「なぜそんな目にあわなくてはならないの。」

「悲しかった。」

ショックを受けて泣く子ども

どんなふうに悲しかったかなどを、くわしく書きましょう。

【きほんの表現】
・悲しいお話でした。
・かわいそうでした。

【心を動かされた様子を表す】
・かわいそうでたまりませんでした。
・なみだなしには読めませんでした。
・とても切ない気持ちになりました。
・心がいたみました。
・むねがふるえてくるのがわかりました。
・むねがしめつけられるような思いでした。

【読んでいるときの自分の様子を表す】
・なみだで字がかすんで、とちゅうで読めなくなってしまいました。
・なみだがポタリと落ちました。
・ふと鏡を見ると、目が真っ赤になっていました。
・なみだが止まりませんでした。
・むねがつまって、いったん読むのをやめました。

【心の中のさけびを表す】
・わたしは心の中でさけびました。
→「どうか〇〇を助けてあげて。」
→「〇〇、負けないで。」

【読み終えた後の気持ちを表す】
・わたしにはとてもたえられないと思いました。
・やり切れない思いが心にのこりました。

 

粟生こずえ

東京都生まれ。小説家、編集者、ライター。マンガを紹介する書籍の編集多数。児童書ではショートショートから少女小説、伝記まで幅広く手掛ける。

青木伸生

1965年生まれ、千葉県出身。東京学芸大学卒業後、東京都の教員を経て現在は筑波大学附属小学校教諭。全国国語授業研究会会長、教育出版国語教科書編著者、日本国語教育学会常任理事、筑波大学非常勤講師なども務める。近年はフレームリーディングの専門家としても注目を浴びる。

必ず書ける あなうめ読書感想文 改訂版

青木伸生 (監修),粟生こずえ (著)『必ず書ける あなうめ読書感想文 改訂版』(Gakken)

読書感想文の”あるある”な悩みを、この本が解決!
この本の特長は、なんといっても「空欄を自分でうめるだけで、簡単にしっかりした感想文が仕上がる」という点です。

「読書感想文をあなうめで仕上げる!? そんなのアリ!?」
と思ったそこのアナタ。「あなうめ」ってそんなに悪者ではないんです。
作文がニガテな人にとっては、型が決まっている「あなうめ」はとても役に立ちます。

この本なら、
・あなうめしながら「文の組み立て」方が学べる!
・あなうめだから、自分の「感想」に集中できる!

読書感想文が苦手なお子さんはもちろんのこと、読書感想文の書き方を教える自信がな大人にもお勧めしたい1冊です。