遊びでつながる男子、秘密でつながる女子・・・「同じ」を重視する思春期の友情 ちがいを認め合うには?
思春期は、同じ遊びや行動、秘密の共有などでつながり、グループを作ります。しかし「同じ」であることを大切にするあまり、友だち関係が息苦しくなることも。
「それぞれちがうこと」を受け入れながら、自分らしく友だちと付き合うための考え方とは?『人生がうまくいく コミュニケーション図鑑』よりご紹介します。
※本稿は斉藤徹 (監修)『人生がうまくいく コミュニケーション図鑑: 神様が教えてくれた人間関係のヒント』(Gakken)より一部抜粋・編集したものです。
友だちならすべてをわかり合える?
「同じだから友だち」のその先へ進もう
小学生の中学年ごろから中高生のころにできる仲間集団を発達心理学ではギャンググループ、チャムグループと言います。ギャンググループは、小学生の中・高学年のころ、同じ行動や遊びをともにすることで結束する集団のことで、おもに男子に見られます。チャムグループは、中学生のころに、おもに女子に見られる集団で、秘密を共有するなどして、境遇や感覚などの共通点を確かめ合うのが特徴です。どちらのグループも「同じであること」を大切にしています。
私たちは、自分と趣味や考えが似ている人には、安心感を覚えます。それは、似ている人と一緒にいることで、自分を受け入れてもらえる気持ちになれるからかもしれません。ただ、「同じだから友だち」という考え方は、「同じじゃなきゃいけない」という息苦しさや「同じじゃないと仲間外れにされる」という恐怖感を生む場合があります。友だちというのは本来、対等な関係なのですから、必ずしも誰かが誰かに合わせる必要はないのです。親しい友人だとしても「自分」と「他者」は違うもの。 だから、同じであることを人に求めすぎないように意識したいものです。
「ちがい」を認め合うピアグループ
“同じだから仲間”というギャング/チャムグループの価値観は成長するにつれて弱まり、高校生のころになると、お互いのちがいを認め合えるピアグループという集団が形成されるようになります。価値感や理想を語り合い、お互いのちがいを知ることで、それぞれが自分らしさを確立していくようになるのです。
距離が近すぎて失敗することも
仲間内のノリでふざけていると、時にはイヤだと感じることをされる場合があります。たとえば、やりたくないのに一発ギャグをさせられる、言われたくないのに自分の失敗をさらされるなどです。ふざけ合う、イジるというコミュニケーションは、悪気はなくても、相手に無理をさせたり傷つけたりしてしまうことがあります。友だちとよい関係を保つには、親しい間柄だからこそ相手への心配りが大切です。「親しき中にも礼儀あり」ですね。
もし、あなたが友だちとの関係で「イジられてつらい」「無理をして合わせている」と感じたらそのままにせず、グループ内の話の通じる友だちに正直に伝えてみる、またはそっとその友だちから距離を置くというのでもいいでしょう。友だちと一緒にいて傷つくくらいなら、一人でいて自分の心を休めるのも選択肢の一つです。
ちょっとしたことが友達を失うきっかけに
・行動をからかう
・容姿や服装などをからかう
・プライベートな話を人前でする
自分では軽い気持ちで言ったこと、やったことが、相手を傷つけたり怒らせたりすることはよくあります。「怒るようなことじゃないのに」と思うかもしれませんが、それはあなたの感覚。自分と他者は感覚が違うことを理解しましょう。
まとめ
● “同じ“であることを求めすぎると、みんなが息苦しくなる。
● 「親しき中にも礼儀あり」。親しい相手にこそ心配りを忘れずに。
斉藤徹 (監修)『人生がうまくいく コミュニケーション図鑑: 神様が教えてくれた人間関係のヒント』(Gakken)
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