ノートに何も書けない子を変えた「三角鉛筆」とは? 書字障害の子が楽になる”文具選びの工夫”

熱海康太
2025.11.18 14:12 2025.11.20 19:00

机に突っ伏す子

「授業中、ノートに何も書いていない…」。そんな悩みを抱える子どもの中には、書字障害の特性がある場合があります。書こうと思っても文字がうまく書けない、マスからはみ出してしまう。黒板を写すという作業が困難なのです。

元公立学校教員で多数の教育書を執筆、現在は一般社団法人日本未来教育研究機構代表理事として活動する熱海康太さんが、書くことへの苦手意識を減らす家庭での工夫を解説。書きやすい文具選び、自分用メモ術、デジタルツールの活用まで、子どもに合った方法を見つける具体的なアプローチをご紹介します。

「書けない」にはいろいろな理由がある

「授業中、Mさんはほとんどノートに何も書いていません」。担任の先生からそう言われた小学4年生のMさんは、書字障害の特性があります。

書こうと思っても文字がうまく書けない、マスからはみ出してしまう、書き順がわからなくなる。黒板を見てノートに写すという作業が、彼女にとっては想像を絶する困難なのです。ここまででなくとも書くのが苦手な子はいるでしょう。

文字を書くことに困難を抱える理由は一つではありません。目で見た文字の形を正確に認識できない子、手先の細かい動きが苦手な子、一度に複数の作業を同時に処理できない子。

Mさんの場合は、黒板の文字を見る、それを覚える、手を動かして書く、という一連の流れがスムーズにつながらないのでした。

授業中は、先生の話を聞きながら黒板を見て、それをノートに書き写す。三つの別々の作業に感じられます。どれか一つに集中すると、他がおろそかになってしまう。結果、「書くこと」そのものを諦めてしまうのです。

熱海康太

熱海康太

大学卒業後、神奈川県の公立学校で教鞭を取る。 教育実践において厚木市教育委員会から表彰を受けるなど活躍。しかし、勘と根性に任せた指導法に限界を感じ、国立大学付属小学校で多くの教育論や教育実践を学ぶ。 学びを体系化することで、学級や学校は安定し、『先生の先生』を行うことも増えた。その後、教員や保護者、子どもたちのための本を執筆するようになる。 常に先端の教育理論や教育実践を研究している。

X:@jetatsumi