「東大に合格するのは友達の多いヤツ」成績アップの意外な秘密とは

西岡壱誠
2025.12.03 09:47 2025.12.01 11:50

学校の屋上の男子と女子(中学生.高校生)

「勉強は孤独に頑張るもの」 そんなイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。
しかし西岡壱誠さんは、東大に合格する多くの学生は「友達の多いヤツ」であると語ります。意外な合格の秘訣を、西岡さんの著書よりご紹介します。

※本稿は、西岡壱誠著『マンガでわかる東大勉強法 増補版』(幻冬舎)より一部抜粋、編集したものです。

友達の多いヤツが東大に合格する!

勉強する中学生 高校生の女の子

そもそも人間は、「自分のためだけに頑張る」というだけではフルの力を発揮できない生き物です。

僕は受験生のとき、東大を目指す仲間を100人以上見てきました。一発でパッと合格する人、僕のように2浪して合格する人、全然成績が上がらなくて結局合格できない人、途中で諦める人、惜しくも合格を逃す人、いろいろな人がいました。

そんな中で僕が知ったのは2つ。「友達が多い人は合格しやすい」ということと、「他人のために頑張るヤツは強い」ということです。

今でも僕にとって謎の現象ですが、東大に合格する仲間というのは、学校の中でも塾の中でも予備校の中でも、「友達」が多いのです。それも、ただダベる友達ではなく、互いに切磋琢磨し合えるような、ライバルになれるような友達の多い人が東大に合格しているのです。友達を蹴落とそうとするのではなく、周囲にいい影響を与え、「一緒に合格しよう」とする人間が強いのだと思います。

例えば、東大に合格した仲間は、よく「今の問題どうやって考えた?」「俺、こっちの解答のほうがいいと思ったんだけど」「一緒に先生に聞きに行かない?」などと友達を巻き込んで勉強していました。

簡単に言うと、常に「学びのシェア」をしている人は、成績を上げるのがとても上手なのです。他の人の考えを聞いて自分の糧にすることもできるし、また、アウトプットもできる。だからこそ、勉強したことを記憶に定着させやすかったのだと思います。

逆に、学びのシェアをしないで自分の中だけで完結させている仲間は、ことごとく失敗していました。いつの間にか塾を休みがちになり、気づいたときには志望校のランクを下げている……そんな人が多かったです。

単純な話、勉強のモチベーションが下がったときにふと隣を見ると、友達がめちゃくちゃ勉強していたらどう思いますか? なんとなく「うわ、負けてらんないな」って気分になりませんか? でも、隣に誰もいなかったら、「ま、別にいいか」って気になりますよね。

一歩踏み出せば仲間がいる

空を見上げる高校生

一歩踏み出したら、誰かがいます。今まで出会ったことのない誰かに出会うことができます。そのとき、その人と仲良くなれるはずです。何と言っても、その人もあなたと同じように、一歩踏み出した人だからです。その人と友達になって、一緒に同じ道を目指し、切磋琢磨する……そうやって人間は成長していくのです。

確かに、勉強は自分一人でやるもので、試験は自分一人で受けるものです。でも、そこに行き着くまでの過程は、一人である必要は全くありません。みんなで前に進めば、必ず成績を上げることができるはずです。

僕は現役時代、友達なんていませんでした。親とも先生とも険悪な状態でした。父親と喧嘩したことが何回あるか数え切れません。学校の先生も、そんな素直じゃない僕に「謙虚にならないと合格できないぞ」と話し、それに反発して先生とも喧嘩しました。

でも、不合格になって浪人したときに、「それじゃあダメなんだ」とようやく気づきました。東大に合格した仲間が、僕とは全然違って、友達と一緒に合格しようと頑張っていたのを見ていたからです。

2浪時代は、全く何の自慢にもならないのですが、「予備校の主」と呼ばれていました。自分のノートや、東大の過去問を自分なりにまとめたものをコピーして配っていたからです。そして、「みんなで合格しよう」と積極的に友達を作りました。

一つオススメなのは、「ありがとう」と「ごめんなさい」をたくさん言うことです。

この2つは、自分の想いを伝える素直な言葉です。親御さんでも、先生でも、きょうだいでも友達でも、「ありがとう」「ごめんなさい」を素直にぶつけられるようになりましょう。その程度のことで、 自分の身の回りの世界って結構変わりますよ。

西岡壱誠

西岡壱誠

東大生作家。1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも2浪し、3年目から勉強法を見直して偏差値70、東大模試で全国4位となり東大合格を果たす。東大入学後、『ドラゴン桜2』(講談社)の編集、TBSドラマ日曜劇場「ドラゴン桜」の脚本監修を担当。2020年には株式会社カルペ・ディエムを設立し、全国の高校で「リアルドラゴン桜プロジェクト」を実施して高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師への指導法のコンサルティングを行っている。

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Instagram:@issey_nishioka

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