中学時代に身につけた生活習慣は、子どもたちの今後の人生に大きな影響を与えます。なかでも重要なのが「時間感覚」です。
 

 

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時間感覚は、高校、大学、そして社会人と、時を経るにしたがって重要度を増してきます。ですから、中学生のうちから少しずつ定着させていくのがよいでしょう。


たとえば、テストの成績が振るわない理由を、勉強時間が不足していたからなどと思っていませんか。


小学生までの間だったら、「成績=勉強にかけた時間」が成り立つ側面がありました。漢字、九九、都道府県名や平野の名称などを覚えることが目的で、知識量・演習量がそのまま成績に比例していました。


しかし中学生になると、覚えるだけの勉強ではなく、考えることが必要になってきます。考える勉強は、当然ながらただの丸暗記より時間がかかります。それなのに部活動などに時間を取られることも多く、物理的に勉強時間を増やすことが困難になっていくのです。


だから中学生の勉強に必要なのは、「時間を増やす工夫」ではなく、「時間を短縮する工夫」です。だらだらと長時間机に向かうよりは、短時間で効率的に終わらせるほうがよいのです。


たとえば、「計算問題を十題解こう」ではなく、「計算問題十題を五分で解こう」という目標をもって、なんとなく時間を浪費する習慣を改めるのです。


スポーツにしても趣味にしても、確かに練習時間を増やすことで一定のレベルまでは上達します。ただし、それ以上になるためには、練習以外の要素のほうが重要になります。「時間を増やせばさらに結果が出る」という考えでは、疲労が蓄積して思わぬ怪我につながりかねません。


「もっと勉強しなさい!」ではなく、「時間をつくりなさい」「時間を計りなさい」へと、親の意識も変えていきたいものです。

 


出典:『高校に入る前に親がしてはいけない82のこと』 (PHP研究所)

 

【著者】

 

秋田洋和 あきかひろかず

教育クリエイター。首都圏大手進学塾数学科責任者などを経て、2005年独立。
「こわれた数学治します」をキャッチフレーズとして多方面で活動中。中学生対象の数学指導のほか、月刊誌『高校への数学』(東京出版)でのメイン記事連載、高校入試問題の解答解説執筆、私立中学校のコンサルティング、自治体が行なう公立中学生向けの各種講座への協力、保護者向け教育関連記事連載など幅広く活躍。二人息子の父親でもある。
著書に『仕事の9割は数学思考でうまくいく』(あさ出版)、監修書に『中学生の成績が上がる! 教科別「勉強のルール」最強のポイント65』(メイツ出版)がある。