幸せにつながる4つのガマン

井戸ゆかり
2023.11.01 13:26 2023.03.02 11:52

「ルールを守ること」で友情が強まる!

サッカーをする子ども

無理やり勝つことよりも心から競技を楽しむことが大切なのです。

Before 「勝ちたい」がトラブルの種に…

何でも一番でないと気がすまないサクラちゃんは、負けるとガマンができなくなり、友だちを責めたり、ずるいことをしたり、勝つまで何度でもやりたがりました。そのようなとき、友だちからも批判され、トラブルになることもありました。

After 友だちと気持ちを分かちあえるように

スポーツを通してルールを守ることを身につけたサクラちゃんは友だちとのトラブルが減り、以前よりも、サッカーやドッジボールを楽しめるようになり、勝ったときの嬉しさを友だちと共有したり、負けたときの気持ちの切り替えも上手になりました。

スポーツのルールを無視して自分の思いを通そうとする子どもは、友だちから批判されたりすると、周囲の思いと自分の思いが異なるために葛藤が生じてしまいます。

そんなタイプの子にこそ、スポーツを通してルールを守る大切さを学んでほしいのです。時にはガマンをして折り合いをつけていくことで社会性を獲得することにもつながります。

「ガマンして続けること」は達成感や自信になる!

勉強する子ども

「かわいそうだから」とすぐにやめさせてばかりでは子どものためになりません。

Before ”逃げグセ”がついていた

ミユちゃんは苦手だと思うことや、イヤなことは初めからやりたがらず避けてしまうことが多くありました。ガマンをして頑張ってみようという意欲が見られず、自信のもてないものに関してはまったく手をつけませんでした。

After “苦手”を乗り越えられるように

周囲の励ましに支えられ、苦手なことをガマンして乗り越えた喜びを感じ、ミユちゃんは自信を得ることができました。そして、それまで避けていたことや途中で投げ出してしまったことにも、積極的に取り組む姿勢が見られるようになりました。

水が怖くて顔を水につけることもできなかった子が、母親と水泳教室の先生の励ましに支えられ、次第に顔をつけることができるようになり、とうとう泳げるようになる。このようにガマンしながら続けた努力が、達成感や自信、次への意欲につながることがあるのです。周囲の励ましや見守りも大切です。

井戸ゆかり

井戸ゆかり

青山学院大学卒業。大妻女子大学大学院博士課程修了。学術博士。東京都市大学人間科学部児童学科教授、横浜市子育てサポート研修講師、渋谷区次世代育成支援地域協議会会長などを務める。著書に『子どもの「おそい・できない」にイライラしなくなる本』(PHP研究所)ほか。