元9浪受験生が警鐘! 「多浪予備軍」受験生の共通点

濱井正吾
2023.03.30 21:26 2023.03.30 20:08

学校や塾の事務員さんに敬意を払う

学生

受験勉強をしていく中で教師や講師よりももっと身近な存在である学校や塾で接する大人、事務員の方々に嫌われるリスクをお伝えします。

私自身、社員ではないものの、実際に予備校関係者として事務作業をしていましたし、5年分の生徒を見てきました。そこで気づいたのは、事務員さんに好かれる生徒は恩恵を受けられるし、嫌われる生徒はさまざまな部分で損をしているということです。

しかし、事務員となると勉強部分に直接的な関与はあまりありませんし、進学に対しての裁量もありません。なので、私も事務をしていたからわかるのですが、講師に媚を売っても、弱い立場である事務員には横柄な態度で接する人間が一定数います。

「俺よりバカなんだから黙れ」
「あいつあんな簡単な英単語も読めんかったぞ」
「●●大学が調子に乗んな」

受験生にこうした陰口を叩かれていましたし、朝の挨拶で露骨に無視をするような者もいました。しかし結局、人によって態度を変えているような人間は、至るところで損をするようになっています。学力自体は生徒のほうが上かもしれません。でも、人に接してきた経験自体は大人のほうが圧倒的に豊富です。

先生や塾の社員に要注意人物ということで情報を共有されたり、ちょっとしたことで親に報告されたりするなど、やろうと思えば生徒や親御さんに気づかれないようにうまく嫌がらせをすることくらいできるでしょう。

自らの行いのせいで、本来味方であるはずの方々を敵に回し、勉強だけに集中できない状況を作ってしまう可能性があります。相手は百戦練磨の大人なのです。

それに日頃から相手を見下して舐めていると雰囲気に出ます。

「性格は顔に出る」と言うと反感を買いそうですが、営業職で2000~3000人以上にお会いしてきた私の経験則からすると、9割ほどは当てはまっていると思います。

人柄は将来の成功の必須条件です。どんな人にも平等に、敬意を持って接するようにしたいものですね。

 

自分に合った勉強法か吟味する

挙手をする中学生

塾講師の信者になり、言うことをすべて実践する。これ、受験あるあるです。

世の中にはカリスマ講師と呼ばれる方が大勢います。わかりやすく、生徒を独自の世界観に引き込むその話術に心酔し、一挙手一投足を真似したがる受験生は毎年大勢出るでしょう。しかし、ここで危険なのは、すべてその人の指導を真似することです。

人にはそれぞれ合うやり方、合わないやり方があります。

例えば私は、国語や日本史の学習において、語呂を作ることで膨大な暗記量に対応しました。当時の私はこのやり方が素晴らしく、すべての人に有効なやり方だと信じて疑わなかったので、同じ予備校の生徒にも「こうしたほうがいい」と教えて回っていました。

でも余計なお世話だったのでしょうね。8浪目のあるとき、理系の浪人生が私にこう言いました。

「僕は語呂でふんわり暗記するのは向かず、すべて理屈を把握しないとダメなんです」

私にとっては目から鱗が落ちる言葉でした。今思えば、私は知らず知らずのうちに私立文系に適性がある勉強をしていたのですが、彼は理系適性。人によって勉強の進度も、理解の仕方も全然違うことに気づきました。

例えば私は、教科書に書いてあることだけでは理解できず、参考書を読んで勉強していましたが、教科書を読むだけでわかるという人もいるわけです。人に共有するときも、すべての人が同じ勉強法が合うわけではないということに留意すべき必要があります。

カリスマ講師はキャラ付けでやっているのか本心でやっているのかわかりませんが、排他的な傾向があり、他講師や他の勉強法をこき下ろすことが珍しくありません。それを聞いた受験生は、「●●先生の指導や勉強法はダメなのか……」と思うかもしれません。

それでも、批判されている方も職業として塾講師をされている時点でその道のプロです。

その先生のやり方のほうが合っている可能性もありますので、思考停止せず、いろんな手段を試し、指導を取り入れ、自分なりのやり方を模索していくほうがいいと思います。

知名度やSNSの数字が講師の価値ではありませんよ。

浪人回避大全 「志望校に落ちない受験生」になるためにやってはいけないこと

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受験人口の減少や大学は誰でも入れるなどの言葉が言われて久しいが、それでも有名大学を中心に実質倍率3倍以上の大学が多数あるなど、多くの現役生や浪人生が厳しい戦いを強いられている現状がある。本書は「多浪生である著者に学ぶ、受験においてやってはいけないこと」をまとめた一冊。自身も多浪生であった著者や友人の多浪生が実際にやってきたことであるため、説得力があるものである。