13歳までの男の子に教えておきたい「性的同意」の重要性

やまがたてるえ
2024.05.13 12:04 2024.03.21 11:50

考える男の子

子どものうちの性教育はとても大切なこと。ですが、現在の学校の性教育では情報として不十分だったり、インターネットでの情報だけでは偏った知識を得てしまったりすることも。 かといって、親から面と向かって伝えるには少しデリケートな内容でもあります。

そこで、『13歳までに伝えたい男の子の心と体のこと』(かんき出版)より、思春期の男の子に向けて、避けては通れない性行為についてお伝えします。

 
※本稿は、 やまがたてるえ著『13歳までに伝えたい男の子の心と体のこと』(かんき出版)から、一部抜粋・編集したものです。

避けては通れない性行為の話 

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<『13歳までに伝えたい男の子の心と体のこと』P.182~187>

ハピウサ博士のメッセージ

13歳までに伝えたい男の子の心と体のこと・セックス(性行為・性交)ってどんなこと?
セックスという言葉をおもしろがって使っているけれど、「実際にはよく知らない」なんてこともあるかもしれないのう。

動物が交尾という行動で子孫を残すように、人間も子孫を残すための行為として性行為(セックス)をするぞ。でも、人間は動物と違って、子孫を残すためだけでなく、コミュニケーションとしての性行為(セックス)をすることもあるのじゃ。

ただ、これは自分たちが心身ともに大人になったときにする行為ということを、覚えていてほしいぞよ。

科学的に説明すると、男性器が勃起した状態で、女性の膣に性器が入ることを性交と呼ぶぞ。そのとき、男性器から射精されたものを精子(せいし)といい、精子が膣から子宮に入っていき、卵子(らんし)が排卵(はいらん)されていた場合に、妊娠する可能性があるのじゃ。

動物には発情期(はつじょうき)という繁殖(はんしょく)する時期があることが多いけれど、人間にはそういう時期はない。ただ、思春期に二次性徴(精通[せいつう]や月経[げっけい])を迎えるようになると、性行為をすることで妊娠できるようになるんだ。人間は動物と違って、性行為や妊娠することを、本能にまかせるのではなく、「選択」することができるのじゃよ。

もちろん、すべての人がかならず行う行為ではなく、自分で行動を選択できるということも覚えておこう。すべての家族が子どもを授かるわけでもないし、自分たちの責任のもとで、選択することができるということを理解しておいてほしいのう。

もし君に好きな人がいるなら「セックスしたい」という気持ちがわかるかもしれない。人と人が親しくなるとふれ合いたくなってくるもの。その究極のふれあいが性行為。

でも性行をするということは、妊娠の可能性があるということを忘れてはいけないぞ。だからこそ、妊娠を防ぎたい場合は、その方法を知っておく必要があるのじゃ。

もしも自分たちが妊娠した場合、どうなってしまうのか、起こる体の変化や人生の変化について、想像して考えてみることはとても重要ぞよ。

君たちくらいの年齢になれば、セックスに興味関心が出ることは生き物としても自然なこと。決してはずかしいことではないのじゃ。

だからこそ、感情やその場の雰囲気で「まわりがしているから」なんて流されたりしないように。自分の体も、相手の体も、大切にできる人になろう。

体にふれられたくないときは

スマホをいじる男の子

プライベートゾーン(性器や胸、そして口)は、人にさわらせたり、見せたり、写真を撮らせたり、キスさせたりしないようにしようと伝えたけれど、ほかにも相手が一方的に体をさわってくる行為や、キスをしてきたら「NO!」と言っていいんだよ。自分の体は自分のもので、「自分だけの権利」なんだ。

自分がイヤだと感じることは、「イヤだ!」と言うのは当然のこと。自分の体は自分のもので、自分で決断していいんだからね。

「知っている大人だから…」
「嫌われたら怖いから…」

もしかしたら、そんなふうに思ってイヤと言えないかもしれない。でも、その瞬間我慢(がまん)してしまうと、相手はもっとエスカレートしてきて、結果的に自分の心が傷ついてしまうことがあるよ。

でも、逆に、この行為は、自分もほかの人を勝手にさわって傷つけてはいけない、ということと同じだよ。

それから、相手を上に見たり、下に見たりしないで、ひとりの人間として対等な立場であると考えてみよう。大人だから偉いわけでもないし、子どもだから我慢することでもないよ。

だからこそ、いいタッチ(同意のうえの安心したふれあい)と悪いタッチ(同意のない一方的なタッチや暴力)があることを理解しておこうね。

参考:『あっ!そうなんだ!わたしのからだ』(中野久恵・星野恵著/エイデル研究所)

やまがたてるえ

やまがたてるえ

1975年北海道生まれ。看護学校卒業と同時に助産師学校へ入学。卒業後、総合病院、産婦人科クリニック、統合医療クリニックに勤務した後は地域の育児支援や、教育行政にも関わり、育児相談なども受けている。 自身も二児の母であり、「家族を含めた子育て支援」をビジョンに、チャイルドファミリーコンサルタントとして活動。保護者向けオンライン性教育講座も開催しており、毎回満席が続いている。
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