小4から数年引きこもり…脱出のきっかけになった「謎のおばちゃん」の存在(ヒデくん第2話)

おがたちえ,橋本紋加

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父親と教師の暴力や、上級生からのイジメにより、小4から引きこもりになったヒデくん。そんなヒデ君の元を、一人の女性が訪ねてきます。ヒデ君に「ご飯食べた?」と声をかける女性の正体は…?

漫画家のおがたちえさんが、不登校サバイバーを取材。臨床心理士の橋本紋加さんによる解説とともに、体験談を連載漫画でお届けします。(毎週水曜更新)

ヒデくんの場合 第2話

ヒデくんのコメント
ひきこもりをしていた頃、朝昼晩もわからずにずっと家で寝ていました。当時、私は、完全に人間不信になり、親、兄弟にも会えなくなりました。

そんな時、唯一、一人だけN先生が訪ねてくれました。N先生は、母が知り合った塾の先生で、定期的にきてくれていました。少しずつN先生の想いが伝わり、「この人は信じられるかもしれない」と思うようになってきたのです。

N先生のような大人になりたくて「先生の想いを継ぎたい」と先生に話していました。

中2の頃、N塾に行った時に高校の存在すら知りませんでした。掛け算、割り算から勉強を始めました。高校受験は全て失敗し、気持ちがどん底に落ちました。

臨床心理士・橋本紋加先生のコメント
謎のおばちゃんがちょこちょこ訪ねてくるのはほんとうに「ウザい」と感じたことでしょう。もしかしたら冷たい態度をとったこともあったかもしれません。

ただ、こうした定期的なかかわりは安心感をもたらしてくれることも事実です。「水曜日にはN山先生と話せる」「塾に行けば誰かしら友達がいる」というような、変わらないなにかがあってくれるというのは変わっていくためにとても重要なことです。

変わらず自分と接してくれる誰かがいたからこそ、塾に行くことや勉強を始めること、ひいては将来の目標が立てられるまでにヒデさんが変わっていった大きな要因の一つだったのではないでしょうか。