31歳で高校生になった元ひきこもり 「自分を変えよう」と思ったきっかけは?(ヒデくん第3話)
小4から引きこもりだったというヒデさん。中学生になり、「高校に行きたい」と猛勉強するものの、受験の結果は全て不合格。さらに家庭環境の悪さが追い打ちをかけ、再び引きこもるようになりますが……
漫画家のおがたちえさんが、不登校サバイバーを取材。臨床心理士の橋本紋加さんによる解説とともに、体験談を連載漫画でお届けします。(毎週水曜更新)
ヒデくんの場合 第3話
ヒデくんのコメント
この頃、家庭の状況も最悪な状況のピークを迎え、母や兄弟が泣き叫ぶ毎日。地獄絵図のような様子を見ながら気づきました。「結局、誰も助けてくれない。誰も助けに来ない」「それなら、自分がこの家族を絶対に変えてやる」と強い覚悟が決まりました。
それから目標を立て、外の世界に飛び出していきました。社会人になり、中卒の差別にも負けず、自分の目標に向けてひたすら挑戦していきました。
全ての経験を活かすために、教師になることを目指し、目標を叶えるため、16年振りの高校受験のリベンジを果たし、31歳から高校生になりました。
臨床心理士・橋本紋加先生のコメント
努力が実らなかった経験をしたヒデさんが、自分を変えようと決心できたのはいったいどうしてなのでしょうか。不登校経験者に「どうして、なぜそのタイミングで、不登校状態から抜け出せたの?」と聞くと本人にも、ずっと話を聞いていた私にもさっぱりわからないことが多いです。きっと周りの人から認められたり、自分が成長できているという実感があったり、そういった積み重ねで変わる準備が整ったということではないかと勝手に想像しています。
そして、再び先生になる夢を目指して歩み始めたヒデさんですが、環境の安定というのは思いのほか重要なものです。対人関係はもちろん、体力や金銭的な余裕は精神的なエネルギーにも強く関連していると思います。
次回は2024年6月26日 (水)更新です。
関連記事

編集部おすすめ
- 犬犬
- 2025.04.24

特集 親の本当の気持ち

ランキング
5:30更新- 「思春期でも仲の良い親子」と「ギスギス親子」 の差とは?
- 「デザインあ展neo」ってどんな感じ? Eテレ発の体験型展示【東京・虎ノ門】
- 自閉症のパニックどう対応する?「繰り返さないよう注意」と当事者が語る明確な理由
- 言葉が話せないまま幼稚園へ 重度自閉症の子が感じた「あのときの気持ち」
- 思春期の子はなぜ親に反抗する?
- 室井佑月さんの「母一人、息子一人の中学受験」(前編)
- なかなか聞けない思春期の男子に起きる変化…精通ってなに?始まるのはいつごろ?
- 親が最も警戒すべき「小2・小3の壁」とは? 子どもの自己肯定感を守る5ポイント
- 思春期になっても親子の関係を壊さない叱り方 池江璃花子さんの母が教えるルール
- 自閉症児が親の声に耳を傾けるようになる「会話の前のワンクッション」