子育て仲間のネットワークの大切さ

榎本博明
2023.11.06 15:32 2023.02.01 16:26

子育て仲間のつながりは、子どもにとっても重要

砂場で遊ぶ子ども
(※画像はイメージです)

また、子育て仲間で集まってお茶でも飲みながらお喋りする場も、とても貴重です。お喋りでストレスを発散したり、気がかりなことを相談したりできるだけでなく、親たちが仲良くしていると、子どもたちも居場所ができてホッとできます。

近所に遊び集団がなくなった今日、親同士のつながりがあると、子どもたちが集団遊びをして人間関係力をつけることができ、とても貴重な経験の場になります。

一方で、子育て仲間のネットワークが必要というのは理屈ではわかるけど、親たちとのつきあいは気を遣うし面倒だという人もいます。とくに内向的な親は、人づきあいに人一倍気を遣うため、かえって疲れてしまうと言います。

価値観も違うし、性格も違う、育った家庭環境や職業も違うし、合わない人とつきあうのは疲れる。結局イヤになってつきあいの輪から抜けたという人もいます。

人によって性格も違えば生き方も違い、心地よく感じる距離感も違って当然です。でも、会社勤めをしている人も、自営で取引先に営業して回っている人も、気の合う人とばかりつきあうわけにはいきません。気の合わない人とも無難につきあわなければ仕事になりません。

子どもたちだって、幼稚園や学校で気の合う友だちと遊ぶだけでなく、気の合わない友だちともうまくやっていかねばなりません。親がそのお手本になるのです。

自分の器を大きくするといった意味でも、ちょっとがんばって子育て仲間のネットワークに入っていきましょう。同じように子育てをしていて、子どもたち同士が知り合いだったりするわけで、話題に困るようなこともないはずです。

ネットワークにはデメリットもあるかもしれませんが、メリットのほうがはるかにしのぎます。親子ともにストレスを軽くするためにも、恐れずに一歩、踏み込んでみましょう。

榎本博明

榎本博明

1955年生まれ。東京大学教育心理学科卒。東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授等を経て、現在、MP人間科学研究所代表。主な著書に、『伸びる子どもは○○がすごい』『勉強できる子は○○がすごい』(以上、日経プレミアシリーズ)、『教育現場は困ってる』(平凡社新書)、『〈自分らしさ〉って何だろう?』『「さみしさ」の力』(以上、ちくまプリマ―新書)『「やさしさ」過剰社会』(PHP新書)などがある。

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