「子どもと目が合わない」が気になったら…発達障害の子を伸ばす「共同注意」

熊仁美、竹内弓乃
2023.04.28 17:45 2023.06.06 11:50

【STEP2】ものの名前を覚える時も、顔を見るチャンス

読み聞かせされる女の子

【まずはパターンをつくる】

絵本などで、身近なものや好きなキャラクターがいくつか並んでいるようなページを探す。端から大人が指さして、「ブーブ、バス、ひこうき、おふね……」のように名前を言っていく。
「ピッだよ」とうながし、子どもにも一緒に指さしてもらう。指さしの形が難しいようなら、手さしでもOK! 指さすと名前が言ってもらえる、という流れをつくる。

【子どもが指さしたものの名前を言っていく】

だんだん子どもが自分で指さしをするようにうながしていく。そして、子どもが指さした瞬間に「ブーブ!」「バス!」「ひこうき!」とものの名前を言ってあげる。子どもが、「指さしたらどんどん名前を言ってもらえる!」という流れを理解して楽しむようになることが、この段階の目標。

【名前をすぐ言わずに、アイコンタクトを待つ】

子どもが、絵本のページのイラストを指さしはじめたら、いつものように2〜3つはすぐに名前を言ってあげる。そして、次のものを指さした時、わざと名前を言わずに黙って待つ。
子どもが「あれ? 名前を言ってくれないぞ?」と思ってこちらを見たら、その瞬間に「ひこうき!」と笑顔で名前を言ってあげる。指さす→顔を見る→名前を言ってもらう、という一連のパターンを定着させる。

【STEP3】コメント+共感を求めるアイコンタクト

STEP3では、言葉が増えてきたお子さん向けの活動をご紹介します。せっかく覚えた言葉を、相手と物事を共有するために楽しく使うことができるとよいですね。

高い高いする親子

【「あ! ○○だ!」】

部屋の壁に絵カードを何枚か貼っておく。「ママからやってみるね」と伝え、たとえば「あ! バス!」と言いながらバスの絵カードを指さす。次に、「○○ちゃんも言ってごらん。他のものだよ」とうながす。
子どもが好きなカードを指さして、「ライオン!」など言えたら、視線が合うのを待つ。目が合ったら「本当だー! ライオンいたね!」とオーバーリアクション。

【「うわぁー、○○だね!」】

飛び出す絵本などを題材に、ページをめくっていき、たとえばキリンの首が長く伸びたシーンでページを止め、「うわぁー……!」と言って、待つ。
子どもが「ながーい」「きりんだねー」など何かコメントしてくれたら、目が合うのを待って、目が合った瞬間に「そうだね! ながーいよね!!」とオーバーリアクション。
コメントを子どもが思いつかない時は、「ながーい」と大人がヒントを出してあげる。コメントだけでなく、「目が合う」ことが大事。

【「ねぇ見て!」】

大人が2人必要な活動。1人が子どもと向かい合って座る。もう1人が、その後ろに隠れて、パペットを子どもにだけ見える位置に出し、派手に動かしてアピールする。

向かい合っている大人は何も気づかないフリをして自然に笑いかけながら待つ。子どもが、「見て!」とパペットを指さしたら、大人は即座に後ろを向き、「うわぁ! ブタさんがいたね! びっくりしたー!」とオーバーリアクション。